暗号資産(仮想通貨)運用大手Hashdex(ハッシュデックス)は25日、米国初のマルチ暗号資産スポットETF「ハッシュデックス・ナスダック・クリプト・インデックス米国ETF」(ティッカー:NCIQ)の投資対象を拡大すると発表した。従来のビットコインとイーサリアムに加え、XRP、ソラナ、ステラルーメンを追加し、合計5銘柄で時価総額3.1兆ドル超の暗号資産への投資機会を提供する。
ナスダックの汎用上場基準を活用
この拡大は、ナスダック証券取引所が採用し米証券取引委員会(SEC)が承認した新たな汎用上場基準(SR-NASDAQ-2025-056)を活用したもの。ETFはナスダック・クリプト米国決済価格指数(NCIUSS)の構成銘柄を保有でき、ビットコインとイーサリアムに限定されていた制約が解除された。
現在の投資対象は以下の通り:
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- ソラナ(SOL)
- ステラルーメン(XLM)
- XRP
四半期ごとのリバランスを実施し、指数方法論と汎用上場基準の適格性に従って構成銘柄が追加される可能性がある。
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2025年2月開始、米国初のマルチ暗号資産ETF
NCIQは2025年2月に開始された米国初のマルチ暗号資産スポットETFで、当初はビットコインとイーサリアムのみを対象としていた。
ハッシュデックスのマルセロ・サンパイオ共同創設者兼CEOは「2018年以来、ハッシュデックスは世界の暗号資産インデックス商品で市場をリードしてきた。NCIQの拡大により、投資家は成長を続ける暗号資産業界により簡単に参加できるようになる」と述べた。
同社のサミール・ケルバージュCIOは「米国の投資家が暗号資産をポートフォリオに組み入れる需要が高まる中、伝統的なインデックスETFで何十年も実証されてきた構造を提供できることを誇りに思う」とコメントした。
世界展開する暗号資産運用大手
ハッシュデックスは2021年に世界初の暗号資産インデックスETFを導入し、現在は9カ国で商品を提供している。総運用資産は約15億6,000万ドルで、ナスダック・クリプト指数を追跡する4つのインデックス商品を運用している。
欧州では最大のマルチ暗号資産ETP、ラテンアメリカでは最大のマルチ暗号資産ETFを運営しており、世界的に暗号資産インデックスETFのリーダーとしての地位を確立している。
NCIQの拡大に伴い、ハッシュデックスはSECにプロスペクタス補足書類を提出し、登録届出書の情報を更新・補完している。コインベース・カストディとビットゴー・トラストが暗号資産保管業者として、米国銀行グローバル・ファンド・サービスがファンド管理者として機能する。