レイヤー1ブロックチェーン「Monad(モナド)」は24日、待望のメインネットを公開した。執筆時点における預かり総資産(TVL)は早くも約5,400万ドル(約84億円)を突破し、その勢いを加速させている。メインネット公開以降、この新たなプロジェクトがどのような一歩を踏み出したのか、その動向を追っていく。

33億MONがエアドロップ、76,000超のウォレットへ
メインネットローンチと同時に実施されたネイティブトークン「MON」のエアドロップでは、総供給量1,000億MONのうち、約3.3%となる33億MONが配布対象となった。これらMONの付与対象者としては、早期参加者や開発貢献者、特定のdApp(分散型アプリ)利用者などが挙げられている。
モナドの発表によると、今回配布対象となったトークン総量は43.3億MON、76,000を超えるウォレットにより、約33.3億MONが実際に申請期間を通して請求されたという。請求されずに残ったMONについてはモナドは、今後のモナドネットワークの開発費用として再利用するとしている。
パブリックセール大成功、調達額は約420億円に
エアドロップに先行する形で、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースでは、11月17日から22日にかけて総供給量の7.5%にあたるMONのパブリックセールが実施された。セールでは1MONあたり0.025USDで提供。最低入札額は100ドル、最高入札額は100,000ドルの条件のもとで参加者を募集した。
モナドの報告によると、このセールには約8万6,000人が参加。調達額は2億6,900万ドル(約420億円)に達したという。市場とユーザーがモナドの技術と将来性に強い期待を抱いていることを示す結果となった。
DeFiプロトコルも本格稼働、「Magma」に注目集まる
メインネット公開に伴い、モナドを基盤としたプロトコルの稼働も始まった。その代表例が、リキッドステーキングプロトコル「Magma(マグマ)」だ。マグマではMONのステーキングを通じて、流動性を保ちながら報酬の追加獲得を可能にするリキッドステーキングトークン「gMON」を受け取ることができる。
公式サイトによると、すでに650万を超えるgMONがミントされており、ホルダー数は750超を記録。また、分散型金融(DeFi)分析プラットフォームのディファイラマでは、TVLが2,000万ドルを突破したことが示されるなど、マグマはモナドエコシステム内での存在感を強めつつある。
MONは約0.03ドルを推移、前日比では7.50%高
MONの価格はローンチ直後に0.038ドルまで上昇したものの、その後は0.03ドルを下回る局面も見られた。執筆時点では0.032ドル付近で推移しており、0.03ドル付近でのサポートを背景にした買い圧力が確認できる。前日比では執筆時点で7.50%高と価格を上げてきていることから、上昇を継続できるかは今後の注目ポイントになりそうだ。

短期間での急激な価格変動はあったものの、エアドロップやパブリックセール、リキッドステーキングなど複数の要素がエコシステムの拡大を後押ししている。今後のエコシステム拡大を通じ、MONの実需が高まっていく中で、さらなる価格上昇を見せる展開にも期待できそうだ。
メインネットローンチは、トークン配布やステーキングプロトコルの稼働を通じてエコシステムを本格的に稼働させる重要な一歩となった。ユーザー参加や流通動向がネットワークの成長速度に直結することで、今後のMONの価格やTVLの推移にも注目が集まることが予想される。
関連:新興L1 モナド、11月24日にメインネット公開を発表──MONエアドロップも実施へ
関連:コインベース初のトークンセール、モナド「MON」を17日開始──総供給7.5%を0.025ドルで販売、トークノミクス公開
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.8円)




