Monad、CoinMarketCapの情報に異議──ローンチ日と供給量、正しいのはどちらか?

伊藤 将史
13 Min Read
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

公式が「正しい情報は一つだけ」と投稿、憶測呼ぶ

現在パブリックテストネットを展開中のレイヤー1ブロックチェーンプロジェクト「Monad(モナド)」は25日、大手暗号資産(仮想通貨)情報サイト「CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)」に掲載された自プロジェクトのトークン情報について、その内容が不正確であることを示唆する投稿をXで行い、コミュニティに波紋を広げている。

事の発端は、コインマーケットキャップに掲載されたモナドのトークン「MON」に関する情報だ。モナドはこれまで、トークンのローンチ日や総供給量といった具体的な詳細を一切発表していないにもかかわらず、コインマーケットキャップのページには以下の2つの主要な情報が記載されていた。

  • ローンチ日:2025年9月29日(※)
  • 総供給量:1,000億MON

※ モナドが投稿した画像では9月29日と表示されているが、これは協定世界時(UTC)の可能性があり、日本時間では9月30日と表示されている。

これに対し、モナドdの公式Xアカウントは、このスクリーンショットを引用し、「この詳細のうち、正しいのは一つだけ」と投稿。ローンチ日か総供給量のどちらかが誤りであることを示唆した。

正しいのはどれか?コミュニティの推察

モナドのこの謎めいた投稿を受け、コミュニティではどの情報が正しいのかについて、活発な議論が交わされている。

主な説は2つに分かれている。一つは、「総供給量:1,000億MON」の方が正しい可能性が高いという説だ。一般に、トークンの総供給量はプロジェクトの経済設計の根幹であり、一度決められると変更されにくい一方、ローンチ日は開発の進捗や市況によって変動しやすいためだ。

しかし、もう一つの説として、「正しいのはティッカーシンボルの『$MON』だけで、ローンチ日と総供給量の両方が不正確である」という可能性も指摘されている。現在、モナドの公式ドキュメントなどでは総供給量に関する確定情報が見当たらないため、コインマーケットキャップに掲載された数値自体が誤情報の可能性があるという見方だ。

なぜコインマーケットキャップに不正確な情報が載るのか?

では、なぜコインマーケットキャップのような大手サイトに不正確な情報が掲載されるのだろうか。

これは、コインマーケットキャップの掲載プロセスに起因する可能性がある。公式ガイドラインによると、同サイトでは、オンチェーンのデータを基に、多数のトークンを自動的にサイトに掲載しているようだ。そして、自動プロセスで作成されたページは、コインマーケットキャップのチームによってまだレビューされていない「未検証」の状態で、正確な公式情報が含まれていない場合があるという。

モナドのように、まだトークンがリリースされていないものの、市場の期待が非常に高いプロジェクトの場合、このような自動化されたプロセスや、第三者からの情報提供によって、公式チームが関与する前に「プレビュー」や「未検証」のページが作成されることがある。これらのページには、しばしば虚偽や推測に基づくデータが含まれるため、今回のような不正確な情報が掲載される事態が発生し得るのだ。

今回、モナド公式Xによる投稿にはわずか7時間ほどで、2,907件のコメント、1,645件のリポスト、5,263件のいいね(すべて執筆時点)が行われていることからも、プロジェクトの注目度の高さがわかる。現在コインマーケットキャップに掲載されている情報については不正確である可能性が高いものの、今後正式に発表されるであろうトークン情報を注視したいところだ。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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