東証スタンダード上場企業「株式会社メタプラネット(証券コード:3350)」は1日、臨時株主総会を開催し、発行可能株式総数の増加を含むすべての決議案が承認されたと発表した。今回の決議は、同社が進めるビットコイン(BTC)トレジャリー戦略を一層加速させるための重要な一歩となる。
発行可能株式数を27億株超へ、資金調達力を強化
今回の臨時株主総会では、3つの決議案に対する議決権行使が行われた。第1号議案は、発行可能株式総数を現在の16億1,000万株から27億2,300万株へ増加させるものだ。メタプラネットは2025年から2027年にかけて、210,000 BTCの保有を目指す「555ミリオン計画」を掲げている。第1号議案はこの計画における資金調達の柔軟性を高める狙いがあるとされており、株主総会の目玉とも言える内容だった。
第2号議案は、「バーチャルオンリー株主総会」を開催できるよう定款に条文を追加するものだ。この改正は、感染症や自然災害といったリスクに備えると同時に、社会のデジタル化に対応することを目的としている。なお、開催にあたっては経済産業大臣および法務大臣の確認が必要となる。
第3号議案では第1号議案の承認を前提として、A種およびB種の種類株式を導入するための定款変更が提案された。これにより将来的な資金調達の可能性を広げ、ビットコイントレジャリー戦略の推進に備える形だ。ただし、議案の提案時点で具体的な発行計画はないとしており、今後の株主総会で詳細が詰められると予想されている。
ポジティブなニュースも、市場との温度差が浮き彫りに
ビットコイントレジャリー戦略の強化に向けた動きを加速させるメタプラネットだが、株式市場の反応は鈍い。執筆時点での同社の株価は836円となっており、前日比+0.60%の小幅な上昇にとどまっている。

1日には1,009 BTC(約164億7,900万円相当)の追加購入を発表し、保有量を20,000 BTCに伸ばしたものの、同日の株価は前日比-5.46%とポジティブな発表に反して下落を見せた。今後、株式発行による資金調達が計画どおり進むかどうかは株価の動向に大きく左右されるとみられ、同社の財務戦略の行方とともに投資家の注目が集まっている。
メタプラネットが掲げる大規模なビットコイントレジャリー戦略は着実に制度的基盤を固めつつあるが、株式市場の冷ややかな視線をどう払拭するかが今後の成長の鍵となりそうだ。同社が掲げる「555ミリオン計画」の実現には、単なるビットコイン購入だけでなく、投資家への明確な成長ビジョンと市場からの信頼獲得が不可欠となるだろう。
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