RWA銘柄に募る不信感
RWA(Real-World Asset)トークン化に特化したブロックチェーンプロジェクト「MANTRA Chain(マントラチェーン)」を展開する「MANTRA(マントラ)」のネイティブトークン「OM(オーエム)」は日本時間14日、数時間のうちにその価値の約90%を失うという壊滅的な価格暴落に見舞われた。

OMが90%近く急落したという報を目にして、「まさか第二のLUNAか」と連想した。わずか数時間でここまで下落するのは、まるでジェットコースターの急降下のようだ。
運営側の公式見解によれば「中央集権型取引所での強制清算が原因」とされているが、コミュニティ側からは「チームが大口保有を裏で売り抜けたんだろコラ」という疑惑が強く、いわゆる「ラグプル」説も飛び交っている。そもそもこのプロジェクトは、RWAのトークン化という注目度の高いテーマを掲げ、ドバイやGoogle Cloudなどとのパートナーシップを公表して大きな期待を集めていた。しかし裏では「トークノミクスがあやしい」「供給の大半をチームが握っている」「評価額と実態の乖離が大きい」といった危険信号が絶えず指摘されていた。そのような懸念がくすぶる中での90%急落である以上、不信感が広がるのも当然である。
突然の大量売りによりオーダーブックが一気に崩壊し、価格は急落した。清算説にしても取引所名が公表されないため事実検証が難しく、「チームが大量保有していた」「ロックもあやしい」という声も噴出している。さらに、Telegram(テレグラム)が一時的に新規参加を制限したことで、「やましいことがあるんだろオイ」と疑う向きも多い。
重要なのは、真実が何であれ、プロジェクト側の透明性が極めて大事な点である。運営がいくら「自分たちは悪くない」と主張しても手前味噌は説得力に乏しい。オンチェーンで証拠を示し、取引所の特定や第三者監査などを行わなければ、トークンホルダーの信頼は取り戻せない。RWAトークン化は今後の暗号資産(仮想通貨)界の重要テーマとされるが、こうした混乱が続けば「やはり詐欺なんだろ」という見方が強まり、セクター全体の冷え込みにつながる恐れがある。
今回の急落が、内部売り抜けか強制清算かはまだ定かではないが、このような大規模暴落が起こるたびに問われるのはプロジェクトの運営姿勢である。マントラに限らず、供給の集中度やインフレモデル、投資家とのコミュニケーションをいかに設計・運用するかが再考されるべきだ。しっかりとルールを整備しない限り、悲劇は何度でも繰り返される。