東証グロース市場に上場する住宅テック企業の「株式会社Lib Work(リブワーク)」は18日正午、財務戦略の一環として、5億円規模の暗号資産(仮想通貨)ビットコインを購入し、中長期的に保有する方針を取締役会で決議したことを発表した。
3DプリンターハウスのNFT化・グローバル決済も見据えた「デジタル資産戦略」を推進
プレスリリースによると、同社は2025年9月から12月にかけて、5億円分のビットコインを段階的に取得するという。ビットコイン購入の理由については「資産ポートフォリオの多様化と中長期的な価値保全」のためと説明している。また、長期的な円安トレンドが続く可能性やインフレによる現金・預金の実質的な価値の目減りリスクへの対策として、国際的な流通性を持つビットコインを「インフレヘッジ及び長期的な企業価値向上に資する資産」と判断したとしている。
なお、今回のビットコイン保有は、同社が推進する「デジタル資産戦略」の重要な一部と位置付けられている。この戦略には、以下の内容が含まれる。
- 3DプリンターハウスのNFT化:住宅の所有権や設計データなどをNFT化し、ブロックチェーン上で安全に取引できる仕組みを構築。
- ビットコイン決済の導入:NFT化された住宅の決済手段としてビットコインを導入し、為替リスクの低いグローバル取引に対応。
将来的には、ビットコインの含み益をM&A資金に活用することや、住宅NFTの取引基盤をプラットフォーム事業として展開することも視野に入れているという。
発表を受けて株価は一時約13%急騰

この発表を受け、リブワークの株価は急騰している。正午にプレスリリースが発表され、後場が始まると同時に買い注文が殺到。株価は前場終値の738円から、一時838円まで13%以上高騰した。本稿執筆時点(13時22分)では、やや落ち着きを取り戻し、762円で取引されている。
リブワークは、3Dプリンターなどのテクノロジーを駆使し、戸建て住宅の企画・設計・施工・販売を一貫して手掛け、本業において堅実な財務基盤を持っている企業だ。同社の株価とともに、今後の「デジタル資産戦略」についても注視しよう。
関連:リブワーク、世界初の3Dプリンター住宅NFT化を発表──ビットコイン決済も導入予定
関連:マックハウス、「ジーイエット」に社名変更し暗号資産事業を本格化──9月17日臨時株主総会で承認予定