ブロックチェーン企業「ジャスミー株式会社」とICT企業「株式会社アプリックス」は1日、共同でサガン鳥栖関連の新サービスを開始すると発表した。
チーム応援と地域経済の活性化を両立
これはジャスミーが運営する「サガン鳥栖公認応援ファントークン」アプリ上でのキャンペーンである。その名は「さガッツ!マネー2025」。この取り組みは、両社が2023年12月4日に締結した業務提携の具体的な成果の一つと位置づけられる。
キャンペーンの核心は、プレミアム付き商品券の発行にある。これは単なる割引券ではない。サガン鳥栖のファン層を拡大し、同時にファンと地域社会との結びつきを強化するという、明確な戦略的意図が込められている。具体的には、対象者が1万円分の商品券を購入すると、20%のプレミアムが付与され、12,000円分として利用できる仕組みだ。総発行枠1.2億円に及び、2025年9月から2026年2月末までの期間限定で展開される。
この企画の対象となるのは、「サガン鳥栖公認応援ファントークン」の購入者だ。このファントークンは、試合のスコアやハイライト映像には映らない選手の貢献や隠れた好プレーに対し、ファンがコメントを通じて声援を送るための「スポーツ振興パスポート」としての機能を持つ。今回の商品券は、そうしたサポーターへの特典という側面も持ち合わせている。
この一見シンプルな仕組みの裏側では、両社のテクノロジーとノウハウが複雑に絡み合っている。ジャスミーは、個人情報管理システム「Jasmy Personal Data Locker(ジャスミー・パーソナルデータロッカー)」や、取引履歴をブロックチェーン上に記録・解析する仕組み、さらにはNFT技術を活用した会員証の発行基盤など、根幹をなすブロックチェーン関連技術を一手に引き受ける。まさに、同社の技術力の見せ所だ。かたやアプリックスは、商品券サービスの発行主体として、加盟店の開拓や管理、利用者からの問い合わせ対応といった、縁の下の力持ち的オペレーションを担当する。先進技術と実務運営の見事な役割分担がここにある。
サガン鳥栖の「地道に粘り強く戦う姿勢」を、テクノロジーの力で可視化し、応援へとつなげる。そして、その熱量をプレミアム商品券という形で地域経済に還流させる。今回の取り組みは、既存のスポーツ支援の枠を超えている。ブロックチェーン技術が、どのように地域創生に貢献できるかを示す、興味深い先進事例となりそうだ。ファンとクラブ、そして地域社会が一体となる新たな関係性の構築に向け、両社の挑戦から目がはなせない。
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