大阪・関西万博で利用された「EXPO2025デジタルウォレット」を開発したHashPort(ハッシュポート)が、ステーブルコインで支払えるクレジットカード「ハッシュポートカード」を21日から発行する。20日、日本経済新聞が報じた。
JPYCで返済・還元が可能、2026年には自動引き落とし対応へ
EXPO2025デジタルウォレットは、万博会期終了後に「ハッシュポートウォレット」として刷新され、利用者やアプリ基盤をそのまま引き継いでいる。同ウォレットではUSDCとJPYCを管理できる。
今回発行されるハッシュポートカードは、店舗での利用代金をウォレット内のJPYCで支払える点が最大の特徴である。利用者は利用額に相当するJPYCを指定アドレスへ送金することで返済できる仕組みだ。
さらに2026年前半までには、ウォレット残高からの自動引き落とし機能も導入される予定で、ステーブルコインの利便性がより高まる見通しである。
決済金額の0.3%がJPYCで還元される。JPYCは従来の共通ポイントよりも活用手段が多い点がメリットとされており、カードとウォレットのデータ連携により、JPYCを使った特典も提供される。今後はUSDCなど他のステーブルコインによる決済や還元にも対応を広げる計画だ。
ハッシュポートウォレットの累計ダウンロード数はすでに100万を超えている。カードの発行はフィンテック企業ナッジ(東京)との連携で行われ、ステーブルコインでの支払い受付はナッジが担当する。
ウォレットとクレジットカードの連携により、ステーブルコインを日常的な決済手段として利用できる環境が整う。JPYCでの還元を受け取れる仕組みは、従来の共通ポイントとは異なり、送金や他のWeb3サービスでの利用が可能だ。2026年前半に予定される自動引き落とし機能の追加で、従来のクレジットカードと同等の利便性を実現する。
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