米ハーバード大学の基金運用機関ハーバード・マネジメント・カンパニーが、ブラックロックのビットコイン現物上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」の保有を大幅に拡大したことが明らかになった。
14日に米証券取引委員会(SEC)に提出された13F報告書によると、9月30日時点で681万3,612株、約4億4,280万ドル(約680億円)を保有している。これは前四半期比で257%の増加となる。
基金内で最大の保有銘柄に
今回の保有拡大により、IBITはハーバード大学の約530億ドル(約8兆1,900億円)規模の基金内で最大の保有銘柄となった。同大学は従来、マイクロソフト、アマゾン、メタなどのテクノロジー株を上位保有銘柄としていたが、ビットコインETFがこれらを上回る形となった。
機関投資家によるIBIT保有ランキングでは、ハーバード大学は16位に位置しており、名門大学による大規模な暗号資産(仮想通貨)投資として注目を集めている。
同報告書では、金ETF「SPDRゴールド・トラスト(GLD)」の保有も明らかになった。ハーバード大学は66万1,391株、約2億3,500万ドル(約360億円)を保有しており、前四半期の33万3,000株から99%増加した。
ビットコイン保有額が金保有額のほぼ2倍となる形で、同大学が暗号資産により積極的な投資姿勢を示していることが浮き彫りとなった。
2024年1月にビットコイン現物ETFが米国で承認されて以来、機関投資家による採用が加速している。ハーバード大学のような名門教育機関が大規模な投資を行うことで、暗号資産の機関投資家市場における地位がさらに確立されつつある。
同大学は第2四半期に初めてビットコインETFと金ETFへの投資を開始しており、わずか3カ月でポートフォリオ内での比重を大幅に高めた。
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