東証スタンダード上場のジーイエット株式会社(7603、旧マックハウス)は3月31日、暗号資産(仮想通貨)を投資対象とするファンドへの出資を取締役会で決議したと発表した。保有するビットコイン(BTC)124.8079枚を原資として現物出資する。
BTC建てクラスで「BTC保有数の最大化」を追求
出資先は、ケイマン諸島に組成された「SPEQTRA Systematic Digital Assets Feeder Fund L.P.」。ジェネラル・パートナーはSPEQTRA GP Ltdで、ジーイエットとの間に資本関係や人的関係はない。
同社がBTC建てクラスを選択した理由は明快だ。出資元本の拠出からNAV(純資産価額)の算出、償還まですべてがBTC
BTC建てで管理されるため、法定通貨との為替変動リスクを排除し、純粋にBTC保有数の増加を追求できる。従来の法定通貨建て投資では、運用が成功してもBTC/円レートの変動で円建て評価が目減りするリスクがあったが、この構造ではそうした影響を受けない。
ファンドの投資戦略は、複数の計量モデルを用いたシステマティックなアプローチだ。デジタルアセットの先物等デリバティブ取引を主な投資対象とし、ロング・ショート双方のポジションを組み合わせることで、市場環境を問わず絶対収益の獲得を目指す。運用チームは伝統金融機関やAI分野の経験者で構成されている。
ジーイエットはカジュアル衣料品チェーン「マックハウス」を全国展開するアパレル企業だが、2025年9月に商号を変更し、ビットコイントレジャリーを戦略の中核に据える方針を打ち出している。JinaCoinのデータによると、同社は4月1日時点で124.81BTCを保有し、平均取得単価は1,682.6万円(約105,800ドル)。BTC価格の下落により未実現損益は約-7億円(-35.2%)と含み損を抱えている状況だ。

今回、保有BTCのほぼ全量をファンドに現物出資する形となり、単純保有から専門運用を通じたBTC保有数の増加へと戦略を転換した格好だ。Q3時点で暗号資産評価損3.09億円を計上する中、アルゴリズム運用による絶対収益戦略で含み損の改善を図る狙いがあるとみられる。
なお、出資に係る評価・運用成果は四半期末ごとに時価評価を行い、営業収益として業績に反映する方針としている。




