フライング・チューリップ、2億ドル調達──FTトークン公開セールを開始へ

ヤマダケイスケ
10 Min Read
画像はFlying Tulip公式サイトより引用

フルスタックのオンチェーン取引所である「Flying Tulip(フライング・チューリップ)」は9月30日、シードラウンドでの2億ドル(約295億円)の調達完了と独自トークン「FTトークン」のオンチェーン公開セールを実施すると発表した。

プライベートセールと同評価額で実施、最大10億ドルの資金調達を目指す

今回のシードラウンドには、「Brevan Howard Digital(ブレバン・ハワード・デジタル)」や「CoinFund(コインファンド)」など、暗号資産(仮想通貨)分野で著名なグローバル投資家が名を連ねた。投資家を惹きつけた要素として、セールの仕組みやFTトークンの革新的なトークノミクスが挙げられる。

プライベートセールと公開セールのすべての参加者は、「オンチェーン償還権」というプログラム上の権利を得られる。これにより、セール参加者はいつでもFTトークンをバーン(焼却)し、貢献資産で元の元本相当額を償還することが可能だという。

この設計はトークンの下落リスクをプログラム的に保護しつつ、投資家が無制限の上昇余地を享受できることを目指したものとなっている。なお、調達資金から隔離されたオンチェーン償還準備金プログラムによって償還が自動処理されるが、準備金が不足した場合はリクエストがキューに入るとフライング・チューリップは説明している。

また、FTトークンはチームへの初期配布がゼロである点も特筆すべき点だ。プロジェクトチームが受け取るトークンは、あくまでプロトコル収益を活用した市場での買い戻しを通じてのみ発生。利用実績に基づいた長期的なプロトコル成長を重視する設計となっている。このようにインセンティブを投資家に寄せた構造は、プロジェクトの信頼性を高める要素となり得るだろう。

公開セールはプライベートセールと同じ評価額で行うとしており、具体的な日程は近日中に発表する予定とのことだ。フライング・チューリップはプライベートセールと公開セールを合わせ、最大10億ドル(約1,478億円)の資金調達目標を掲げており、その挑戦的なビジョンは分散型金融(DeFi)市場で大きな注目を集めている。

今回の発表は、DeFiプロジェクトの資金調達やトークノミクス設計における新たな可能性を示した。フライング・チューリップが今後どのようにエコシステムを拡大していくのか、FTトークンがこのエコシステムを支える基盤として成長していけるのか、今後の動向にも目が離せない。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.83円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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