ブロックチェーン企業「フィギュア」、ナスダック上場──IPO初値は44%高

伊藤 将史
9 Min Read
画像はFigure公式Xより引用

ブロックチェーン技術を活用した金融サービスを展開する「Figure Technology Solutions, Inc.(フィギュア・テクノロジー・ソリューションズ、以下フィギュア)」は10日、新規株式公開(IPO)の価格が1株あたり25.00ドルに決定したと発表した。翌11日に米ナスダック市場に上場し、初値は36.01ドルと公開価格を44%上回った。

IPO価格25ドルで約5.9億ドルを調達、既存株主も売出

フィギュアは、融資の組成から資金調達、流通市場までをシームレスに繋ぐ「ブロックチェーンネイティブな資本市場」を運営するフィンテック企業だ。

同社はこれまでに、住宅担保ローンを中心に160億ドル(約2兆3,592億円)以上の融資を実行したほか、プライベートクレジットを提供する「Figure Connect(フィギュア・コネクト)」など、複数のサービスを提供してきた。

上場前日には、新規に23,506,605株を販売し、既存の株主も7,993,395株を売り出すことを発表。IPO価格は25ドルで、これによりフィギュアは約5億8,700万ドル(約865億円)の資金を調達すると公表した。

なお、IPOにあたって「Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)」、「Jefferies(ジェフリーズ)」、「BofA Securities(バンク・オブ・アメリカ証券)」が共同で主幹事を務めている。

上場後の価格動向:初値は公開価格比44%高

「NASDAQに上場したFigure Technology Solutionsの株価チャート。2025年9月11日の取引で公開価格25ドルを上回って始値36ドル前後をつけた後、31ドル台まで下落し、その後は31〜32ドル付近で推移している。TradingViewのローソク足チャート。
出典:TradingView

フィギュアの株式は、11日にティッカーシンボル「FIGR」としてナスダック・グローバル・セレクト・マーケットで取引を開始。公開価格25ドルに対し、初値は36.01ドルと44%高で取引を開始した。執筆時点でも、IPO価格を上回る31.76ドルで取引されている。

この力強いデビューは、ブロックチェーン技術を活用して伝統的な金融市場の非効率性を解決しようとするフィギュアのビジネスモデルに対する、投資家の高い期待を反映したものと言えよう。Web3技術がリアルワールドの金融に与える影響を示す試金石として、同社の今後の動向に大きな注目が集まる。

関連:ナスダック上場エアネット、ワラント行使でソラナ296,367枚を購入
関連:ナスダック上場のスイ・グループ、SUI保有量1億枚を突破

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.45円)

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA

厳選・注目記事

YouTube

あなたのプロジェクトを広めませんか?

JinaCoinでは、プレスリリースや記事広告、バナー広告など複数の広告を提供しています。詳しい内容は下記お問い合わせページよりご連絡ください。

その他のニュース

米ビットマイニング、ソラナを追加購入──総保有量44,412 SOLに拡大

暗号資産(仮想通貨)インフラ企業の「BIT Mining(ビットマイニング、NYSE: BTCM)」は11日、新たに17,221 SOLを購入したことを明らかにした。これにより同社のソラナ保有量は44…