ブロックチェーン技術を活用した金融サービスを展開する「Figure Technology Solutions, Inc.(フィギュア・テクノロジー・ソリューションズ、以下フィギュア)」は10日、新規株式公開(IPO)の価格が1株あたり25.00ドルに決定したと発表した。翌11日に米ナスダック市場に上場し、初値は36.01ドルと公開価格を44%上回った。
IPO価格25ドルで約5.9億ドルを調達、既存株主も売出
フィギュアは、融資の組成から資金調達、流通市場までをシームレスに繋ぐ「ブロックチェーンネイティブな資本市場」を運営するフィンテック企業だ。
同社はこれまでに、住宅担保ローンを中心に160億ドル(約2兆3,592億円)以上の融資を実行したほか、プライベートクレジットを提供する「Figure Connect(フィギュア・コネクト)」など、複数のサービスを提供してきた。
上場前日には、新規に23,506,605株を販売し、既存の株主も7,993,395株を売り出すことを発表。IPO価格は25ドルで、これによりフィギュアは約5億8,700万ドル(約865億円)の資金を調達すると公表した。
なお、IPOにあたって「Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)」、「Jefferies(ジェフリーズ)」、「BofA Securities(バンク・オブ・アメリカ証券)」が共同で主幹事を務めている。
上場後の価格動向:初値は公開価格比44%高

フィギュアの株式は、11日にティッカーシンボル「FIGR」としてナスダック・グローバル・セレクト・マーケットで取引を開始。公開価格25ドルに対し、初値は36.01ドルと44%高で取引を開始した。執筆時点でも、IPO価格を上回る31.76ドルで取引されている。
この力強いデビューは、ブロックチェーン技術を活用して伝統的な金融市場の非効率性を解決しようとするフィギュアのビジネスモデルに対する、投資家の高い期待を反映したものと言えよう。Web3技術がリアルワールドの金融に与える影響を示す試金石として、同社の今後の動向に大きな注目が集まる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.45円)