30日、イーサリアム
ETHのL1とL2を一体化する新フレームワークとして「イーサリアム・エコノミック・ゾーン(EEZ)」が立ち上がった。L1とL2が分断されエコシステムの孤立化が課題となるなか、EEZはその構造的な問題を解消するための取り組みとして注目を集めている。
L2の分断問題を「1トランザクション」で解消、ガストークン・決済レイヤーはETHが担う
EEZによると、イーサリアムのL2はトランザクションコストの削減やスループット向上に貢献してきた一方、各L2が独自の流動性やブリッジを抱えたことで「孤立した島」のような状態が続いてきたという。プロトコルはチェーンごとに個別対応を迫られ、ユーザーはブリッジを経由するたびにコストとリスクの負担が必要だった。
こうした課題に対してEEZは、「シンクロナスコンポーザビリティ(同期的構成可能性)」によって解消を目指す。具体的には、EEZロールアップ上のスマートコントラクトが、メインネットや別のEEZロールアップのコントラクトを呼び出し、1回のトランザクション内でまとめて処理できる仕組みを構築している。
これによりプロトコルは一度のデプロイでEEZ全体にリーチでき、ユーザーはブリッジを意識せずに複数チェーンをまたいでアセットを扱えるようになる形だ。
なお、EEZにおいてETHはガストークンおよび決済レイヤーとしての役割を維持する設計となっている。ロールアップ上の活動がメインネットを強化する方向に働く点もEEZの特徴のひとつだ。
グノーシス・ジスクが開発主導、完全オープンソースで公共インフラとして運営
開発ではイーサリアム財団が資金を提供。イーサリアム草創期からインフラ開発を手がけてきた「グノーシス」と、zkEVMの開発で知られるジョルディ・ベイリナ氏が立ち上げた高性能ゼロ知識証明スタック「ジスク」が創設コントリビューターとしての役割を担う。
創設メンバーにはアーベ、タイタン、ビーバービルド、セントリフュージ、エックスストックスなどが参加。運営はスイスに設立された「EEZアソシエーション」が主体となり、完全オープンソースの公共インフラとして開発が進められる。
創設メンバーの1社であるセントリフュージは、「トークン化資産をブリッジなしで同ブロック内に別ネットワークの担保として活用できる」とEEZを評価。マルチチェーントークン化インフラに必要な機能だと公式Xで述べている。
EEZの技術仕様やベンチマークの詳細は、今後数週間以内に公開される見通しだ。イーサリアムを「ひとつの経済圏」として再統合するEEZの取り組みが、分断されたエコシステムにどう変化をもたらすのかが注目される。
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