イーサリアム、強気トレンド継続か──5年ぶりの長期レンジ突破で上昇余地あり

伊藤 将史
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リテストとRSIに基づく強気予測に注目集まる

著名な暗号資産(仮想通貨)アナリストのSykodelic氏は25日、イーサリアムが5年間にわたる長期的なチャートパターンを上抜けし、さらなる価格上昇の準備が整いつつあるとの見方を示した。

Sykodelic氏は、最近のイーサリアム価格の下落を過度に懸念する市場参加者に対し、「50%上昇した後の15%の調整で皆が焦っている(笑)」とコメント。長期的な視点で見れば、現在のチャートは非常に強気であり、「イーサリアムの上昇はまだまったく終わっていない」と主張している。

5年間の長期レンジをブレイク

Sykodelic氏の分析の中核となるのが、同氏が投稿したイーサリアムの週足チャートだ。このチャートは、イーサリアムが2020年から約5年間にわたり、巨大な三角保ち合い(高値と安値の変動幅が次第に狭まり、三角形の形になる状態)を形成してきたことを示している。

ETH/USD週足チャート
出典:Sykodelic氏公式X

このチャートから、Sykodelic氏は以下の3つの強気なサインを読み取っているようだ。

  • 5年間のレンジをブレイク:長期間にわたり価格の上値を抑えてきた抵抗線(上辺の黒いライン)を、最近になって明確に上方向へブレイクアウトしている。
  • レンジの再テスト(リテスト)に成功:一度ブレイクした抵抗線まで価格が戻り、今度はそのラインが支持線(サポート)として機能するかを試す動き(リテスト)が見られた。チャートでは、価格がこのラインで反発しており、ブレイクアウトの信頼性を高めている。
  • RSIに上昇余地あり:チャート下部に表示されているRSI(相対力指数)は、市場の買われすぎ・売られすぎを示すテクニカル指標だ。現在のRSIは上昇しているものの、まだ過熱感を示す「買われすぎ」の水準(一般的に70以上)には達しておらず、チャート上の緑色の四角で示されているように、さらなる上昇余地が十分に残されている。

また、Sykodelic氏は、三角保ち合いを形成する中で、価格が一時的に上下のラインを逸脱する「Deviation(デビエーション)」が二度発生している点にも言及。これは、市場の流動性を刈り取る動きであり、その後のブレイクアウトの信頼性をさらに高める要因と見なしているようだ。

Sykodelic氏は、テクニカル分析に加え、現在の市場心理も強気相場が継続する根拠だと指摘する。

同氏は、「わずかな調整で弱気派がたくさん現れるほど、天井からは遠い」と述べる。本当に市場が天井を付けるときには、誰もが強気になり、あらゆる下落を「絶好の買い場だ」と見なすようになるという。現在の市場に見られる悲観論は、むしろ相場がまだ過熱していない健全な兆候であるというのが、同氏の見方だ。

Sykodelic氏の見解に従うのであれば、5年という非常に長期的なレンジを上抜けしたというテクニカル的な事実に加え、市場心理もまだ過熱していないことから、イーサリアムの本格的な上昇はこれから始まるのかもしれない。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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