イーサリアム(ETH)トレジャリー企業の「BitMine Immersion Technologies(ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ、以下ビットマイン)」は18日、過去1週間で約37万3,000 ETH(約2,383億円相当)のイーサリアムを追加購入し、同社の暗号資産(仮想通貨)保有総額が66億1,200万ドル(約9,767億円)に達したと発表した。
供給量5%獲得を目指し、機関投資家が支持
発表によれば、同社の保有資産は、イーサリアムが1,523,373 ETH、ビットコイン(BTC)が192 BTC。同社はこの結果、世界最大のイーサリアムトレジャリー企業であり、かつビットコインを含めた企業別の仮想通貨保有額ランキングでは第2位となるとしている。
ビットマインは2025年6月30日にイーサリアムトレジャリー戦略を開始し、わずか6週間で急拡大を見せた。独立系調査会社「Fundstrat(ファンドストラット)」の共同創業者で、ビットマイン会長のトム・リー氏は「たった1週間でイーサリアム保有額を17億ドル増やした。機関投資家からの支持を受け、イーサリアム全体供給量の5%獲得を目指す」とコメントしている。
さらに同氏は「イーサリアムは今後10~15年で最大のマクロ取引の一つになると我々は引き続き信じている」と述べた。そのうえで、機関投資家による採用とAIのブロックチェーンへの移行が金融システムに大きな変革をもたらし、その中心を担うイーサリアムの重要性は今後一段と高まるだろうと付け加えた。
株式市場でも存在感
仮想通貨だけでなく、株式市場においてもビットマインは存在感を高めている。ファンドストラットによると、同社株式は日次平均取引額が64億ドル(直近5日間平均)に達し、米国株で第10位にランクインした。「Alphabet(アルファベット)」(11位)や「JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)」(27位)を上回る水準で、米国上場株5,704銘柄の中でも高い流動性を誇っている。
今回の発表は、仮想通貨市場におけるトレジャリー戦略の存在感を強調するものだ。ただし、規制や制度設計が進行中の段階においては、こうした戦略がどこまで持続的に機能するかは不透明である。政策動向や市場ルールの変化が今後どのように影響するかを慎重に見極める必要がある。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.73円、1 ETH=638,955円)