ネットワークセキュリティ向上、トークン価値の安定化目指す
分散型デリバティブ取引所「dYdX」は24日、初のDYDXトークン買戻し(バイバック)プログラムを開始した。プロトコルの純収益の25%を毎月買戻しに充当し、市場からトークンを取得してステーキングすることで、ネットワークセキュリティとトークンの長期的な信頼性を強化する。
発表によると、本プログラムでは、プロトコルの純収益の25%が毎月買戻しに充当される。これにより、市場からDYDXトークンが体系的に取得され、ネットワークセキュリティ向上のためにステーキングされるという。
dYdXのプロトコルの純収益は、これまで100%がエコシステム参加者に分配されてきた。今回の買戻しプログラム導入により、収益分配の構造が以下のように変更される。
- サブDAO:10%
- MegaVault(メガヴォルト):25%
- 買戻しプログラム:25%
- ステーキング報酬:40%
この新たな分配構造は、プロトコル収益がネットワークセキュリティ、ガバナンス、長期的な持続可能性を強化するために戦略的に再投資されることを保証する。なお、初期配分では買戻しへの充当は25%だが、将来的にはコミュニティの議論を経て最大100%まで増加する可能性も示唆されている。
買戻しプログラムの開始は、dYdXが現物取引やEVM(Ethereum Virtual Machine)サポートといった機能拡張を進める重要な時期と重なる。これらの機能拡張は、dYdXの利便性を高め、DeFiへの新たなユーザーの参加を促すことが期待される。2024年には2,700億ドル(約40兆円)の取引量と4,600万ドル(約69億円)の手数料を記録しており、今回の買戻しプログラムは、プラットフォームの成長とトークン価値の連動をさらに強固にするものと見られる。
dYdXが初のトークン買戻しプログラムを開始したことは、DeFi市場における同社の地位をより強固なものにする重要な一歩と言えるだろう。プロトコル収益の戦略的な活用は、トークン価値の向上だけでなく、ネットワークの長期的な安定と成長にも貢献すると考えられる。コミュニティ主導のガバナンスを通じて、dYdXが今後どのような進化を遂げるのか、引き続き注目していきたい。
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