仮想通貨規制緩和へ──トランプ米大統領が2つの大統領令に署名

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ドナルド・トランプ米大統領は7日、暗号資産(仮想通貨)や不動産などのオルタナティブ資産への投資機会拡大、そして不当な銀行サービス停止の防止を目的とした2つの大統領令に署名した。この動きは、トランプ政権が掲げる「米国を仮想通貨大国にする」というビジョンをより具体化する重要な一歩となった。

仮想通貨投資や金融サービスに影響広がる

1つ目の大統領令は、確定拠出年金制度である「401(k)」を通じて、仮想通貨や不動産などのオルタナティブ資産への投資を可能にする内容だ。これまで規制の厳格さや訴訟リスクを背景に制限されていた投資先が拡充されることで、米国民の老後資金の確保と金融機会の拡大が見込まれる。

今回の大統領令でトランプ米大統領は労働省長官に対し、オルタナティブ資産に関する既存ガイダンスの見直しと規制の明確化を指示。労働省は財務省や米証券取引委員会(SEC)などの関係機関と連携し、必要な規制改定を進めていく方針だ。

具体的にどのような資産にアクセスできるようになるかは、執筆時点では明らかになっていない。9,000万人以上が加入する大規模な制度に仮想通貨が含まれるようになれば、市場参加者や資金流入の増加につながる可能性がある。仮想通貨市場の活況をさらに後押しする要因になり得るだろう。

2つ目の大統領令は、連邦規制当局が政治的・宗教的信条や合法的な事業活動を理由として、金融機関が顧客へのサービス提供停止を禁止するものだ。この大統領令では、過去に不当な理由で銀行サービスを停止された顧客に対し、金融機関がサービス再開に努めるよう中小企業庁へ指示。さらには過去の事例を調査し、罰金や同意判決を含む是正措置を講じるとしている。

また財務長官には、不当な取引拒否を防ぐための包括的戦略の策定を命じている。これにより、政府は金融機関の恣意的な判断によるサービス停止を防ぎ、市場の公平性と競争環境の改善を目指す構えだ。

特にバイデン政権下で顕著だった仮想通貨業界への銀行サービスの締め出し、いわゆる「オペレーション・チョークポイント2.0」による影響は、業界企業の成長を阻害してきた経緯がある。今回の大統領令によって、全ての国内仮想通貨企業が公平に銀行サービスを受けられる環境整備が進むと期待されている。

トランプ政権は市場解放と規制緩和を通じて、仮想通貨をはじめとする新興資産分野で米国の競争力を高める姿勢を鮮明にしている。これらの取り組みが実行に移されれば、投資家層の拡大と業界成長のさらなる加速が期待されるだろう。今後、規制当局や金融機関がどのような対応を見せていくのかに注目が集まる。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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