節目の10万ドルを割り停滞しているビットコインについて、アナリストらは17日、悲観的な分析を明らかにした。
10月10日の清算が転換点に 市場が回復できない理由とは
金融市場分析ニュースレターThe Kobeissi Letterは17日、Xへの投稿で、暗号資産(仮想通貨)市場が直面している深刻な状況を報告した。
同レポートによると、暗号資産全体の時価総額は過去41日間で1.1兆ドル減少。これは10月10日に発生した過去最大規模の「192億ドルの清算イベント」時よりも約10%低い水準だという。同レポートはこれを「構造的変化だ」とコメントし、深刻さを強調している。
さらにThe Kobeissi Letterは、この「構造的変化」を示す具体例として、金とビットコインのパフォーマンスの分岐を挙げた。
数ヶ月間にわたり強い正の相関(両資産が同時に買われる流れ)を示していた両資産は、10月10日の大規模清算イベントを境に逆の動きに転じたという。「過去1ヶ月で、金はビットコインを+25%、アウトパフォームしている」と指摘した。
そして「10月10日の清算イベント後に何かが変わり、市場は回復していない。すべてはレバレッジと強制清算が原因だ」とコメントしている。
ビットコイン、強気相場以来の主要サポート割れが濃厚に
テクニカル分析の面でも、深刻なシグナルが点灯している。
暗号資産インフルエンサーのLark Davis氏は同日、ビットコインの週足チャートについて言及。「(現地時間16日の)週足ローソク足が閉じるまで残り6時間」とした上で、現在の価格が50週指数平滑移動平均(EMA)と50週単純移動平均(SMA)を「はるかに下回っている」と指摘した。
同氏は、「もし魔法のように10万ドル以上に急騰しない限り、我々は強気市場が始まって以来初めて、これらの主要な(サポート)レベルを下回って週足を閉じることになる」と、市場の重大な転換点にある可能性を示唆した。
両者の分析は、ビットコイン市場に大きな変化が訪れている可能性を示唆するものといえるだろう。今後の価格推移に注意したいところだ。
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