暗号資産市場、41日で1.1兆ドル減──金とビットコインの相関崩れ「構造変化」も

伊藤 将史
9 Min Read
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
Highlights
  • 暗号資産市場の時価総額が過去41日間で1.1兆ドル減となり、10月10日の大規模清算以降に構造変化の可能性が浮上
  • 金とビットコインの相関が清算イベント後に逆転し、過去1カ月で金が25%上回る展開
  • ビットコインが50週EMAとSMAを下回る水準にあり、強気相場以来の主要サポート割れ懸念が拡大

節目の10万ドルを割り停滞しているビットコインについて、アナリストらは17日、悲観的な分析を明らかにした。

10月10日の清算が転換点に 市場が回復できない理由とは

金融市場分析ニュースレターThe Kobeissi Letterは17日、Xへの投稿で、暗号資産(仮想通貨)市場が直面している深刻な状況を報告した。

同レポートによると、暗号資産全体の時価総額は過去41日間で1.1兆ドル減少。これは10月10日に発生した過去最大規模の「192億ドルの清算イベント」時よりも約10%低い水準だという。同レポートはこれを「構造的変化だ」とコメントし、深刻さを強調している。

さらにThe Kobeissi Letterは、この「構造的変化」を示す具体例として、金とビットコインのパフォーマンスの分岐を挙げた。

数ヶ月間にわたり強い正の相関(両資産が同時に買われる流れ)を示していた両資産は、10月10日の大規模清算イベントを境に逆の動きに転じたという。「過去1ヶ月で、金はビットコインを+25%、アウトパフォームしている」と指摘した。

そして「10月10日の清算イベント後に何かが変わり、市場は回復していない。すべてはレバレッジと強制清算が原因だ」とコメントしている。

ビットコイン、強気相場以来の主要サポート割れが濃厚に

テクニカル分析の面でも、深刻なシグナルが点灯している。

暗号資産インフルエンサーのLark Davis氏は同日、ビットコインの週足チャートについて言及。「(現地時間16日の)週足ローソク足が閉じるまで残り6時間」とした上で、現在の価格が50週指数平滑移動平均(EMA)と50週単純移動平均(SMA)を「はるかに下回っている」と指摘した。

同氏は、「もし魔法のように10万ドル以上に急騰しない限り、我々は強気市場が始まって以来初めて、これらの主要な(サポート)レベルを下回って週足を閉じることになる」と、市場の重大な転換点にある可能性を示唆した。

両者の分析は、ビットコイン市場に大きな変化が訪れている可能性を示唆するものといえるだろう。今後の価格推移に注意したいところだ。

関連:ビットコイン急落で9万7,000ドル割れ──長期保有者の売却と機関需要低下が要因
関連:ビットコイン、安値圏を推移──43日間の米政府封鎖が終了も決済売りが先行

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA

厳選・注目記事

YouTube

あなたのプロジェクトを広めませんか?

JinaCoinでは、プレスリリースや記事広告、バナー広告など複数の広告を提供しています。詳しい内容は下記お問い合わせページよりご連絡ください。

その他のニュース

TOKYO GameFi解散で$TGT保有者に動揺──TOKYOBEASTコンセプトメイク企業、株主総会で決議

Web3クリエイティブスタジオを手掛けるトーキョー・ゲームファイ(TOKYO GameFi)が解散したことが明らかになった。2025年11月12日付の官報に掲載された解散公告によると、同年10月27日…