国内暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックの親会社であるコインチェック・グループ(ナスダック:CNCK、本社:オランダ)は12日、2026年3月期第2四半期(7月〜9月)の決算を発表した。総収益は前年同期比89%増の1,331億円、前四半期比58%増となり、大幅な成長を記録した。
顧客資産とアカウント数が大幅増加
9月30日時点での顧客資産は1兆1,892億円で前年同期比78%増、前四半期比19%増となった。認証済みアカウント数は242万1,080件で前年同期比15%増、前四半期比3%増と着実に拡大している。
マーケットプレイス取引高は947億円で前年同期比72%増、前四半期比54%増となった。粗利益は39億円で前年同期比92%増、前四半期比44%増を達成した。純利益は3億5,500万円で、前年同期の1,500万円から大幅に改善した。調整後EBITDAは14億8,600万円で、前年同期の2億5,000万円から494%増加した。
ステーキング事業が急成長
2025年1月13日に開始した「コインチェックステーキング」は、ユーザーがイーサリアム(ETH)を預けるだけで自動的にステーキング報酬を獲得できるサービスで、同四半期のステーキング収益は7億9,400万円に達し、前四半期の3億8,100万円から2倍以上に拡大した。
同社は2025年3月にステーキングプラットフォーム企業のネクストファイナンスを買収しており、同社のプラットフォームを活用して第三者プロバイダーとのステーキング報酬分配比率を削減する取り組みを進めている。
機関投資家事業拡大の一方、IEO案件は苦戦
コインチェックは10月14日、パリを拠点とするデジタル資産プライムブローカーのアプロを約2,400万ドル(約37億1,900万円)の株式交換で買収したことも発表した。アプロはヘッジファンド、資産運用会社、銀行、大手企業など60社以上の機関投資家にサービスを提供しており、2025年ヘッジウィーク・グローバル・デジタル資産アワードで「欧州・中東・アフリカ地域プライムブローカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。
関連:コインチェック・グループ、仮想通貨ブローカー「アプロ」を買収へ
また、日本最大級のC2Cマーケットプレイス「メルカリ」の子会社メルコインとの戦略的提携も発表し、メルカリの顧客がアプリ内からコインチェックのアカウントを開設・利用できるようにすることで顧客基盤の拡大を図る。
関連:メルコイン、コインチェックと業務提携──2026年上半期にメルカリアプリで多様な暗号資産取引を開始
なお、コインチェックは前日の11月11日にIEOで販売したFPL(ファンプラ)トークンの取引を開始したが、上場直後に初値1.5円を付けた後、公募価格1円から一時約60%下落する展開となった。好調な決算数字の一方で、IEO案件の市場評価は厳しいものとなっている。




