ステーブルコインUSDC発行企業のサークル(NYSE:CRCL)は13日、独自のブロックチェーン「Arc(アーク)」を使った2つの新サービス「Circle StableFX(サークル・ステーブルエフエックス)」と「Circle Partner Stablecoins(サークル・パートナー・ステーブルコインズ)」を発表した。
世界最大規模のFX市場をオンチェーン化する取り組みが加速
外国為替(FX)市場は世界最大の金融市場だが、取引場所の分散や決済時間の長さなど古い仕組みが残る。サークルはブロックチェーンでこれを改善し、通貨交換の迅速化と安全性向上を目指している。
基盤となるのがレイヤー1ブロックチェーンのアークだ。2つのサービスはアーク上で通貨交換と決済を統合処理する。
サークル・ステーブルエフエックスは、ステーブルコイン同士をオンチェーンで交換できるサービスだ。複数の流動性提供者が提示する価格の中から、ユーザーは最適なレートで交換できる。また、送金と受け取りが同時に行われる仕組みにより、取引が途中で止まるリスクも抑えられる。
ステーブルエフエックスの利用には、KYB(Know Your Business)やマネーロンダリング対策といった厳格な審査が必要で、コンプライアンスを重視した取引環境となっている。現在はアークのテストネットで動作しており、2026年のメインネット公開に向け実験が可能となっている。
サークル・パートナー・ステーブルコインズは、各国通貨建てステーブルコインをアーク上に展開する発行者を支援するプログラムだ。参加には技術面や準備金管理の基準を満たす必要があるが、承認されればステーブルエフエックスや「サークル・ペイメント・ネットワーク(CPN)」を通じて決済・送金・通貨交換への利用が広がる。
参加企業は、USDCとの相互運用性の向上や流動性の強化といったメリットも得られる。初期の参加候補にはBRLA、KRW1、PHPC、AUDF、MXNB、JPYC、QCAD、ZARUなどが含まれている。
今回の発表により、将来的にステーブルコインでの送金・交換のスピードとコスト改善が期待される。海外サービス利用者や複数通貨取扱者にとって資金移動の自由度が高まり、暗号資産(仮想通貨)の実生活利用が進む基盤となる。
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