カルダノブロックチェーンの普及促進を担う非営利組織のカルダノ財団は23日、グローバルなカルダノ採用促進に向けた包括的ロードマップを発表した。従来の企業導入支援に加え、分散型金融(DeFi)とWeb3分野への注力を大幅に拡大し、2026年にかけて戦略的投資と組織体制強化を実施する。
DeFi流動性に8桁台ADA投入、ステーブルコイン強化
同財団は6つの主要施策を公表した。まず、カルダノDeFi強化では主要ステーブルコインプロジェクトに対し8桁台のADA流動性を複数チャネル経由で提供する。オンランプ・オフランプ改善を通じ、今後6〜12か月で効果発現を見込む。
Web3採用加速では新たにチームメンバー2名を追加し、統合、上場、現実世界資産(RWA)対応に注力する。RWA分野では9月22日に発表したMembersCap連携による1000万ドル規模のRWAに続き、CIP-0113およびCIP-0143標準の完成を急ぐ。
カルダノベンチャーハブ拡大、2026年に200万ADA投入
今年試験運用したカルダノベンチャーハブを本格稼働する。スタートアップ向けベンチャープログラムと既存企業向けエンタープライズ支援プログラムの2本立てで展開し、2026年に最大200万ADAを投入する予定だ。
直接投資・融資に加え、技術アドバイザリーサービス、コーチング、ネットワーク支援などを通じてプロジェクトの持続可能性を高める。同時にDraper U、Techstars、CV VCとの連携も継続する。
マーケティング予算12%増、アフリカ・ロンドンイベント開催
プロモーション強化では2026年にデマンドジェネレーション予算を12%増額する。トークン2049やコンセンサスへのカルダノブース出展、アフリカテックサミット2026およびロンドンでのデジタルアセット2026イベント開催を予定している。
カルダノアカデミーを通じた無料ブロックチェーン教育も継続し、従来型企業のブロックチェーン参入を支援する。
ガバナンス分散化で220万ADA追加委任
既に実施済みの140万ADA委任に続き、さらに220万ADAを11の選定DRep(委任代表者)に委任する。自己委任を80万ADAまで削減し、「採用推進」「運営」カテゴリーのDRepを新たに支援する。
これらの施策実現に向け、財団は現在のSPO(ステークプール運営者)委任戦略を終了し、自己完全誓約プールへの委任に移行する。5年間で約400のプールに委任を実施してきた現行フレームワークから、より大規模なエコシステム加速へと重点を移す。
同財団は「統合的・協調的アプローチにより、今後3年間でカルダノの成長に大きく貢献する」としており、透明性を保ちながら新たな展開に応じてロードマップを定期的に見直す方針だ。
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