カナダ政府は26日、暗号資産(仮想通貨)による政治献金を禁止する内容を含む選挙法改正案「Bill C-25」を下院に提出した。同法案は、外国勢力の選挙介入防止や匿名性の高い寄付手段を制限する内容も含む包括的な選挙制度の改革案である。
暗号資産寄付を禁止、30日以内の返還義務も規定
法案では、暗号学的手段で保護されたデジタル資産としての暗号資産に加え、マネーオーダーおよびプリペイド決済商品による政治献金の受領を禁じている。対象は登録政党や候補者側の関係者に加え、第三者にも及ぶ。
禁止された形態の寄付を受け取った場合、受領者には30日以内の対応が義務付けられる。具体的には、寄付を未使用のまま寄付者に返還するか、返還できない場合は未使用のまま破棄する対応が必要とのこと。返還も破棄もできない場合は、現金化した上で選挙管理長官に納付する必要がある。
受領禁止と返還義務の対象は幅広く、登録政党の主席代理人、登録団体の財務代理人、候補者の公式代理人に加え、党首選・指名選の財務代理人も含まれる。さらに第三者も同様の規制を受けるとのことで、第三者については受領禁止違反および返還義務違反がそれぞれ犯罪として規定されており、返還義務違反を故意に行った場合はより重い手続きで処罰される。行政罰は違反に係る額の2倍に一定額を加算する構造で、上限は個人で2万5,000カナダドル、法人・団体で10万カナダドルである。
同法案には暗号資産規制以外にも、外国勢力の選挙介入防止や匿名性の高い寄付手段の制限、なりすまし・ディープフェイク対策など、選挙の透明性強化に向けた規定が盛り込まれている。
同法案は第一読会を通過した段階にあり、成立するためには今後の審議が必要となる。法案が成立することで、カナダは暗号資産を政治献金の受領手段として法律で明確に禁じる国の一つとなる可能性がある。
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