ビットコインは20日も続落し、21日には一時8万3,000ドル台まで下落した。その後反発し、執筆時点では8万4,000ドル台で推移している。本格的な調整局面が鮮明になってきた。オンチェーンデータはネガティブな指標とポジティブな指標が混在しており、先行きが読みづらい展開が続いている。
調整6週目、前回の調整期間に迫る
マーケット分析企業のスイスブロックは20日、公式Xで相場が反転する時期について見解を投稿した。
2025年2月下旬から4月上旬にかけての調整局面では、底値形成までに約7週間を要した。一方、2024年6月下旬から9月下旬にかけての調整局面では、下落期間とレンジ期間を含め約14週間を要した。
今回の調整はすでに開始から6週間が経過しており、前回の調整がピークに達した期間とほぼ同じ長さに達している。オンチェーン指標の「Bitcoin Price Momentum(ビットコイン価格モメンタム)」は、過去の調整ピーク時と同水準まで低下しており、近いうちに買い支えが発生する確率が高くなっていると、スイスブロックは結論づけた。
デルタ成長率がマイナス圏──弱気継続の可能性
投資データ分析プラットフォームのアルフラクタルは20日、公式Xで「ビットコインのDelta Growth Rate(デルタ成長率)がマイナスに転じた」と指摘した。
デルタ成長率とは、ビットコインの時価総額と実現時価総額(市場の平均取得価格)の伸びを比較し、市場の勢いを測る指標だ。
過去にこの指標がマイナスに転じた局面では、短期的な反発を見せても戻り売り圧力に押され、数カ月にわたるレンジ相場を形成するケースが多かった。今回もデルタ成長率がマイナス圏で推移する場合、弱気相場が長期化する可能性がある。
流動性の完全枯渇が底固めの条件
機関投資家向け分析プラットフォームのビットコイン・ベクターは21日、公式Xで「底固めが完了するまでには、ビットコインの流動性が完全に枯渇する必要がある」との見解を示した。
オンチェーン指標のBitcoin Liquidity Index(ビットコイン流動性インデックス)を見ると、約1カ月間にわたる流動性の急激な低下が確認できる。一般的に市場に出回るビットコインが減少するほど、売却圧力が緩和され、市場回復につながりやすいとされる。
現在の流動性は、過去に相場が何度も反転した水準に到達しているため「調整局面の終盤に入りつつある」とビットコイン・ベクターは分析し「まだ深刻な弱気相場には突入していない」と締めくくった。
引き続きオンチェーン指標からは、弱気相場の継続を示唆するデータが確認されているが、底値形成が近づいている兆候も少なからず見受けられる。とはいえトレンド転換の材料にはまだ乏しいため、しばらくはマクロ経済の動向を観察しながら底値を探る局面が続きそうだ。
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