ネットワーク性能向上と開発環境の強化を推進
レイヤー1ブロックチェーン「BNBチェーン」は11日、2025年の技術ロードマップを発表した。2025年はトランザクション速度の向上、人工知能(AI)の統合、ユーザーエクスペリエンスの最適化などが主要な柱となる。
トランザクションの低遅延化と高速処理
BNBチェーンは、ネットワークスループットを維持しながらブロック時間をサブセカンド(1秒未満)に短縮することを目標としている。これにより、1日あたり1億件のトランザクション処理が可能となる。2024年にはopBNBへの並列イーサリアム仮想マシン(EVM)の実装や、BSCの連続ブロック生成の導入が行われたが、これをさらに進化させることで、よりスムーズな取引環境を提供する。
AI技術の統合と活用
BNBチェーンはAI分野での取り組みを加速させる。特に、カスタマイズ可能な大規模言語モデル(LLM)のトレーニングに向け、ヘルスケアなど専門分野のデータ活用を強化する。また、データ提供者への適正な報酬を確保し、中央管理者に依存せずデータを安全に共有・管理できるシステムを確立する。
さらに、自律型AIエージェントの実用化に向け、データの整合性と機密性を確保しながらAIが自律的に動作できる環境「Trusted Execution Environment(TEE、信頼できる実行環境)」を整備する。加えて、AIモデルの安全なストレージと検索拡張生成(RAG)対応メモリを活用し、AIエージェントがより高度な学習と適応を可能にする。
ガスレス取引の拡大
EOA(Externally Owned Account、外部所有アカウント)アドレスからのあらゆる種類のトランザクションをガスレス化し、ステーブルコインやBEP-20トークンでガス料金を支払えるようにする。また、特定の取引を支援する仕組みを導入し、ユーザーや企業が取引コストを最小限に抑えられる環境を整備する。
その他の強化ポイントとして、MEV(最大抽出可能性価値)の悪用防止に向けた取り組みを継続し、取引の公平性を確保する。開発者向けツールの改良も進め、AIコード補助ツールの導入やSDK・APIの整備、クロスチェーン流動性の強化を行う。さらに、ミームコインプロジェクトの支援も拡大し、2024年に統合されたツールをさらに強化するとともに、新たな支援策を展開する予定だ。
現在、Web3業界は急速に進化しており、他のブロックチェーンプロジェクトも次々と新技術を導入している。BNBチェーンがこの競争の中で優位性を保つためには、発表されたロードマップを着実に実行し、実際のユースケースへと落とし込むことが不可欠である。2025年、BNBチェーンがどのように進化し、ブロックチェーン業界全体にどのような影響を与えるのか、その動向が引き続き注目される。
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