28日午前11時台、一時855ドルまで上昇
暗号資産(仮想通貨)「BNB(ビルドアンドビルド)」は28日、23日に付けた810.2ドルの高値を上回り、史上最高値を更新した。同通貨を軸としたレイヤー1ブロックチェーンである「BNB Chain(BNBチェーン)」は28日、公式Xで「どこまで上がるか?」との投稿を行い、今後の価格上昇に対する期待感をあらわにした。
BNBは執筆時点において845.4ドルで推移しており、28日午前11時台には一時855.0ドルを記録。前日比+0.21%とわずかな上昇に留まっている。2025年に入ってからは、700ドルから740ドルの価格帯がレジスタンスゾーンとして機能していたが、7月中旬にこれを力強く突破。以降は大きな調整を挟むことなく、右肩上がりの展開で史上最高値更新にまで至っている。

次の節目としては900ドルや1,000ドルといったキリの良い価格帯が予想される。しかし、利益確定の売りによる大幅な下落の可能性も視野に入れておく必要があるだろう。いずれにしてもこのまま続伸するか、一旦価格が抑えられるのかはしばらく投資家にとって注目の的になりそうだ。
コインマーケットキャップがBNB急騰の背景を分析
BNBの急騰にあたり、仮想通貨データプロバイダーの「CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)」は24日、BNBに関する分析レポートを公式X上で公開した。
投稿内では、BNBのシャープレシオが過去5年間で「2.5」に達していることに触れ、主要な仮想通貨の中でもBNBが安定した投資対象である点を強調。また、現在のBNBは先物取引よりも現物取引が優勢にあるため、短期的な投機ではなく長期保有を見据えた買いが市場を支えているとの見解を示した。
今回の急騰にはBNBの実用性に加え、企業による積極的な採用も追い風となっている。直近ではナスダック上場企業「Nano Labs(ナノラボ)」や米バイオ企業「Windtree(ウィンドツリー)」などが、財務戦略の一環としてBNBを採用する計画を発表。コインマーケットキャップの推計によれば、企業によるBNB購入計画は約12億ドル(約1,772億円)に達しており、イーサリアム(ETH)よりも速いペースで企業での採用が進んでいるという。
また、BNBチェーン自体の成長も価格上昇の重要な要素とされている。今年6月には、分散型取引所(DEX)の週間取引高が1,080億ドル(約15兆9,550億円)に到達。BNBチェーンはイーサリアムやソラナといった主要ブロックチェーンを凌駕する取引量を記録した。今後はトランザクションの高速化やプライバシー機能追加などの技術的進化が予定されており、同チェーンのさらなる成長が見込まれている。
BNBは現在、テクニカル面でもファンダメンタルズ面でも好材料が重なっており、今後の価格推移に対する投資家の期待はますます高まっている。他分野の企業や機関投資家による採用拡大と、ブロックチェーン基盤の進化が続けば、BNBは仮想通貨市場においてさらなる存在感を示すことになりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.73円)