米暗号資産(仮想通貨)運用会社のビットワイズは29日、NEAR(ニア)の現物に投資する「Bitwise NEAR ETF(ティッカー:NRR)」を上場したと発表した。同日からNYSEアーカで取引が始まり、NEARプロトコルも取引開始をXで告知している。ビットワイズは、NRRを米国で初めてのNEAR現物ETFとしている。
保有NEARのほぼ全量をステーキング
NRRの主な目的はファンドが保有するNEAR
NEARの価値に連動することで、2つ目の目的としてステーキングによって追加のNEARを得ることを掲げる。ビットワイズは、社内の機関投資家向けステーキングチームを通じて、保有するNEARをステーキングする計画だ。
ファンドの公式サイトによると、償還などに備えて手元に残す流動性準備金は9月28日時点で0%に設定されており、ほぼ全量のNEARをステーキングする。準備金の割合は毎月見直すとしている。ファンドの概要は以下のとおり。
| 名称 | Bitwise NEAR ETF(NRR) |
|---|---|
| 上場先 | NYSEアーカ(9月29日から取引開始) |
| 運用報酬 | 年0.75% |
| カストディアン | Coinbase Custody(コインベース・カストディ) |
| 基準価格の参照指標 | CME CF NEAR Protocol–Dollar Reference Rate – New York Variant |
ビットワイズによると、NEARのステーキング報酬率は9月25日時点の年率で5.3%だった。ただし、これはネットワーク全体の数値で、ファンドの運用成績を示すものではない。報酬はファンドの1口あたり純資産価値(NAV)の増加として投資家に反映され、支払いは保証されていない。
NRRは1940年投資会社法に基づく投資会社ではなく、同法に登録された投資信託やETFと同じ保護は受けられない。
AIエージェント経済への投資手段と位置づけ
ビットワイズは、NEARをAIと暗号資産が交わる領域のブロックチェーンと紹介した。同社が発表で挙げたNEARの特徴は次のとおりだ。
- 取引プロトコル「NEAR Intents(ニア・インテンツ)」の取引高は320億ドル(約5兆342億円)超で、1年前の10億ドル未満から拡大
- 6年間の稼働率は100%、取引は約1.2秒で確定し、手数料は1セント未満
- 時価総額は60億ドル(約9,439億円)超、供給量はすべてロック解除済みで、インフレ率は年2.5%に半減
同社のマット・ホーガン最高投資責任者は、AIエージェントが人に代わって予約や支払い、交換を行う時代には、高速で信頼でき、単一の管理者に依存しない決済基盤が必要になると述べた。NEARプロトコルの共同創設者イリア・ポロスキン氏は、NRRによって米国のより幅広い投資家がNEARの構想に投資できるようになるとしている。
ビットワイズは欧州で、独連邦金融監督庁(BaFin)の承認を受けたNEARのステーキングETPをすでに提供している。米国では、ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRP、ハイパーリキッドの単一銘柄ETFに続く商品となる。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.32円)



