ビットコイン短期投資家の投げ売りは買い場?下落局面で注目されるクジラ動向と流動性ゾーン

ヤマダケイスケ
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ビットコイン(BTC)は史上最高値を更新した後、110,000ドルを下回り、短期的な下落基調が鮮明になっている。市場には弱気ムードが漂っているが、大口投資家(クジラ)やオンチェーンデータの動向からも、今回の調整局面を経て次の上昇につながる可能性があるとの見方も出ている。

新規クジラの利益確定、直近4週間で最大規模

市場では新規クジラによる利益確定の動きが活発化している。暗号資産(仮想通貨)分析プラットフォーム「CryptoQuant(クリプトクオント)」のコミュニティアナリストであるMaartunn氏は8月31日、「直近で新規クジラによる実現利益が6億5,000万ドル(約955億円)に達した」と報告。この実現利益は過去4週間以上で最大規模だという。

新規クジラによる売りは価格調整の一因と考えられる一方で、次の強気相場の土台につながるとの見方もある。実際、過去の相場でもクジラによる売りが一服した後、再び買いが優勢となり価格上昇に転じたケースは少なくない。市場を大きく動かすクジラの動向に注目が集まっている状況だ。

損益分岐点での抵抗、短期保有者は投げ売りへ

下落基調を後押ししているのはクジラだけではない。Maartunn氏は短期保有者の動きにも注目。短期保有者が現在、損失覚悟の投げ売りを進めている状況だと指摘した。

Maartunn氏によると、損益分岐点付近で価格が何度も跳ね返されており、この水準を突破できないことが投資家心理に影響し、短期的な弱気ムードを増幅させているという。こうした心理的な壁が売り圧力を強めており、一時的に底値を模索する展開になる可能性も指摘されている。

買い場は94,000ドル付近?CMEギャップと高出来高ノードが重なる

クジラと短期保有者による売りが加速する中、焦点となるのはどの価格水準が「買い場」として意識されるのかだ。テクニカルアナリストのCryptoSoulz氏は8月31日、「ビットコインの理想的な買い場は93,000ドルから94,500ドルの価格帯だ」との見解を示している。

CryptoSoulz氏によると、94,000ドル付近はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物チャートで形成された価格ギャップである「CMEギャップ」、過去に最も多くの売買が集中した価格帯を示す「高出来高ノード」が重なっているポイントだという。これらが強力なサポート帯となり得ることから、「上昇局面を迎える前に、この価格帯をテストしてくる可能性が高い」と同氏はみている。

市場の短期的な不安定さや弱気心理の拡大は否めないが、クジラの利益確定や短期保有者の投げ売りは、次なる上昇への準備段階と見ることもできる。特に94,000ドル水準での価格動向は、テクニカル面と需給面の両側からも注視しておきたいところだ。短期的な調整を経て、ビットコインが再び強気相場に転じることを期待したい。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.04円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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