ビットコイン価格、9月下旬~10月に回復へ?専門家らが強気予測

伊藤 将史
12 Min Read
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

8月20日現在、ビットコインは短期的な価格下落を迎えている。この市況について、専門家が次々と分析を公表している。

レバレッジ清算が続く一方、過去サイクルとオプション市場は9月以降の回復を示唆

短期:レバレッジロングの清算が続く

まず、短期的な市場では、レバレッジをかけたロングポジション(買い持ち)の強制清算が続いている。量的アナリストのFrank氏は20日、「ロングはレバレッジをかけて押し目を買い続け、清算され続けている」と指摘。ロングポジションの清算が市場全体に占める割合は12.4%に達しているという。

同氏が投稿した指標は、価格が下落する局面で、ロングポジションの清算が急増していることを示している。これは、価格下落によって多くの買い手が強制的にポジションを解消させられている状況を意味し、大きな下落圧力となっているようだ。Frank氏は、「トレーダーが降伏し、ショートに転じ、その後ショート側で清算される動き」が次の価格上昇のための燃料になると分析している。

中期:過去サイクルは9月下旬の回復を示唆

一方で、より中期的な視点では、現在の価格下落は過去の強気相場と類似した健全な調整であるとの見方が強い。オンチェーン分析企業「CryptoQuant(クリプトクオント)」のアナリストであるBen Sizelove氏は、「過去2回の強気相場では、ビットコインは半減期から約480日後に顕著な価格の弱さを見せた」と指摘する。

同氏の分析によれば、今回の調整も過去のパターン通りであれば「あと2〜4週間続く」可能性があり、その後は半減期から約510日目にあたる9月下旬から10月上旬頃に回復し、新高値に向けた上昇が加速すると示唆している。

市場心理:オプション市場は13万ドルを見据える

このような短期的な調整にもかかわらず、オプション市場の参加者は依然として強気な姿勢を崩していない。オンチェーン分析企業「glassnode(グラスノード)」は19日、「BTCオプションのポジショニングはより高い方へシフトしている」と報告した。

グラスノードが公開したヒートマップは、権利行使価格が12万4,000ドル(約1,830万円)から13万ドル(約1,920万円)のコールオプション(買う権利)に、4,100万ドル(約60.5億円)以上の買いが集まっていることを示している。一方で、現在の価格を下回るプットオプション(売る権利)への需要は弱いという。

グラスノードは、これを将来的な12万〜13万ドル台への上昇を見込む市場心理の表れだと分析している。

これらの分析をまとめると、短期的なレバレッジの清算という痛みを伴いながらも、中期的なサイクル分析とオプション市場のデータは、ビットコインの強気相場がまだ終わっていないことを示している。市場が再び上昇に転じるのか、9月以降の動向が大きな焦点となりそうだ。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.57円)

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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