BTCは23日も小幅に下落し、2日連続で陰線を確定した。9万ドルのレジスタンスに苦戦する中、オンチェーン上やマクロ環境での大きな変化が確認されている。

グローバル流動性が急拡大でリスク市場に追い風か

オンチェーン分析プラットフォームのアルファエクストラクトは24日、公式Xにて「グローバル流動性が過去最高水準（ATH）を更新した」と指摘。

グローバル流動性が直近で＋2.22兆ドル（約345兆4,300億円）と、1.54％増加を記録し、ここ数年で見ても最大級のポジティブな流動性シフトが発生した。さらに、市場を本格的に刺激する動きがまだこの先に控えている。

それはeSLR（Enhanced Supplementary Leverage Ratio、強化補完的レバレッジ比率）の見直しだ。これが実施されれば、金融機関の自己資本に関する制約が緩和され、リスク資産へ資金が向かいやすくなり、リスクオン相場の延長につながる可能性が高まる。さらに、米国の中間選挙を見据え、トランプ政権が景気や市場の下支え策を掲げる可能性も高いため、流動性のさらなる拡大は現実的な展開と言えるだろう。

現時点ではRoC（流動性の変化率）はまだリスクオンの閾値を下回っているが、「現在のような改善基調が続けば、短期間で上向きに転じる可能性は十分にある」とアルファエクストラクトは結論付けた。

マクロ環境はすでに大きく変わり始めており、あとは市場がその変化をどのタイミングで織り込みにいくか、という段階に入ってきたと言えるだろう。

ビットコイン長期保有者の売り圧が低下

オンチェーン分析企業、クリプトクオントのアナリストであるDarkfost氏は24日、自身のXにて「ビットコイン長期保有者（LTH）の売り圧が低下している」との見解を投稿した。

Darkfost氏が着目したのは、Coin Days Destroyed（CDD）の動きだ。CDDはビットコインがどれだけ長く保有された後に使われたかを測る指標で、長期保有者による資産の移動が発生すると大きく跳ね上がる特性を持つ。一般的に、長期保有BTCの移動は売却の準備段階と捉えられており、CDDの上昇は潜在的な売り圧力につながりやすい。

そのCDDが、11月にコインベースにて観測されたLTHによる大規模な移動の後、急速に低下。LTHのオンチェーン活動の鎮静化は、売却圧力の減少につながる。LTHは依然として総供給量の大部分を保有しており、市場にとって最大級の売り手だ。つまりLTHの売り圧力が和らぐことは、需給バランスの改善につながるポジティブなシグナルと言えるだろう。

この傾向が継続すれば「市場の負担は徐々に軽減され、底値形成につながる可能性がある」とDarkfost氏は締めくくった。

ビットコインが引き続き上値の重い展開を継続する一方、オンチェーン活動に加えマクロ環境にも市場回復の兆しが見えてきた。とはいえ、短期的にはまだ乱高下する可能性もあるため、慎重にエントリーポイントを探っていくべき局面と言えるだろう。

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※価格は執筆時点でのレート換算（1ドル＝155.69円）