世界最大級の仮想通貨取引所であるBinance Global(バイナンス・グローバル)は、取扱い通貨の多さと利用可能サービスの幅広さに定評があります。
しかし、日本在住者は2023年12月1日以降、Binance Globalの利用が禁止され、代わりにBinance Japan(バイナンス・ジャパン)を利用しなくてはいけなくなりました。
この記事は基本的に海外在住の日本人向けですが、日本在住者が制限を回避して口座開設する方法や注意点についても徹底解説します。
- Binance Global(バイナンスグローバル)の口座開設方法を画像付きで解説
- Binance Globalを利用する上で、知っておくべきことを網羅的に解説
- 日本居住者は、Binance Japanの利用が前提だが、回避してBinance Globalを利用する方法あり
Binance Global(バイナンス)登録前に知っておくべき注意点
まずは、登録におけるBinance GlobalとBinance Japanの違いについて、下記にまとめました。
Binance Global | Binance Japan | |
---|---|---|
対象地域 | 海外(日本等を除く) | 日本国内 |
口座開設可能者 | 日本人含む海外在住者 | 日本在住者 |
取り扱い通貨 | 幅広い仮想通貨 | 日本円対応、限定された通貨 |
手数料 | 居住地域により変動 | 日本向けの手数料体系 |
KYC要件 | パスポート等 | 日本の身分証明書 |
プラットフォームの違い
Binance GlobalはBinance Japanと比較して、より多くの取引ペアやサービスを提供しています。具体的には、Binance Globalでは数百種類の仮想通貨が取引可能で、レンディングサービスやP2Pサービスなども利用できます。
しかし、Binance Globalは日本の規制に適合しておらず、日本在住者向けのサポートは現在はありません。
また、Binance Globalの主な言語は英語で、日本語でのサポートはありません。カスタマーサポートは主に英語で提供されます。そのため英語に不慣れな場合は、翻訳ツールの利用や通訳が必要となるでしょう。
居住地と登録資格
Binance Globalの利用は居住地に基づいて制限されています。公式のサポートページによると、日本在住者やアメリカ居住者などはアカウント開設ができません。
しかし、海外法人名義での登録や、日本国籍でも海外に住んでいる場合、現在の居住地が日本以外であれば登録が可能です。
また、KYCプロセスでは、現在の居住地を示す住所証明書が必要です。例えば、英国に住んでいる日本人がBinance Globalに登録する場合、英国の住所証明書を提出する必要があります。自身の居住地が登録可能かどうかを事前に確認することが重要です。
KYC(本人確認)の詳細
KYCプロセスは、身分証明書(POI)と住所証明書(POA)の提出が必要です。
身分証明書にはパスポート、運転免許証、在住許可カードなどが使用可能です。日本国籍のパスポートを使用しても問題ありません。
住所証明書には、現在の居住地を証明する書類が必要です。例えば、公共料金の請求書、銀行明細、賃貸契約書などで、日本の住所を示す書類は使用できません。
本人確認の処理時間は通常24時間以内ですが、スマートフォンでの認証を利用すると数分で完了する場合もあります。
法的なコンプライアンスと規制
基本的に現在の居住国の仮想通貨取引に関する法律を遵守する必要があります。そのため、一部の国では取引が制限される場合があります。
例えば、アメリカやカナダなどの一部の国ではBinance Globalの利用が制限されています。登録前に居住国の法律をしっかりと確認する必要があります。
セキュリティ対策
アカウント保護のために、登録後に2段階認証(2FA)を設定することを強くお勧めします。Google AuthenticatorやSMS認証が利用可能です。
また、セキュリティ質問の登録やリカバリーフレーズの保存も重要です。これにより、パスワードを忘れた際にアカウントを復旧できるだけでなく、不正アクセスを防ぐ手段にもなります。適切に管理することで、ハッキングのリスクを軽減し、安全にアカウントを保護することができます。
税務上の考慮事項
日本国籍を持つ場合、仮想通貨取引の利益に対して日本の税金が適用される可能性があります。日本の税法では、一定の条件を満たす場合、世界中の所得に対して税務義務があるとされています。
例えば、永久的な住居や生活の中心が日本にある場合、税務住民とみなされる可能性があります。
また、海外法人であっても、日本の税法では一定の条件を満たすと、その法人の所得が株主(個人)の所得とみなされる場合があります。そのため、法人の所有割合が大きい場合は税務上の影響に注意が必要です。
Binance Global(バイナンス)登録方法|口座開設から本人確認、セキュリティ設定まで図解解説
Binance Globalの登録方法について解説します。

- Binance Globalの公式サイトbinance.comにアクセスし、ホーム画面で「Sign UP」ボタンをタップします。
- 画面表示に従ってアプリへの切り替えを「許可」します。もしくはアプリストア(App StoreまたはGoogle Play)からBinanceアプリをダウンロードし、開きます。

- ①メールアドレスか電話番号、または「Google」「Apple」「Telegram」のアカウントのいずれかを選択し、登録を進めます。②「NEXT」をタップします。
- ※メールアドレス・電話番号で登録する場合は、安全なパスワード(8~20文字、大文字と数字を含む)を設定する必要があります。
- ①「Privacy and Terms」のチェックボックスにチェックを入れます。②「NEXT」をタップします。
- 登録が完了し、「Welcome aboard!」と表示されるので、「NEXT」をタップします。
- ※メールアドレスで登録した場合は、登録したメールアドレスに確認リンクが送られます。受信したメールのリンクをクリックしてアカウントを有効化します。

- アカウントの登録が完了すると「Verification Pending」と表示されるので、タップします。
- 「Get Verified」をタップします。
- ①「Residence」で居住国を選択します。②「Document Issuing Country/Region」で、使用する身分証明書の発行国を選択します。③「Continue」をタップします。

- 身分証明書のアップロード:
- ①「運転免許証」「IDカード」「パスポート」から、KYCに使用する書類を選択します。
- ②「Continue」をタップします。
- 使用するIDの種類を確認して、「Continue」をタップします。
- ①「Take Picture」または「Upload Photos」を選択し、身分証明書の画像をアップロードします。②「Continue」をタップします。

- アップロードした書類を確認し、「Continue」をタップします。
- Liveness Check(顔認証)をし、「Continue」をタップします。
- 表示された姓名を確認し、「Continue」をタップします。

- 「Under Review」と表示されるので、審査完了まで待ちます。Binanceアプリをインストールしたい場合は「Download Binance App」をタップします。
- 住所証明書の提出:
- 住所証明が必要な場合も、同様の手順でアップロードします。
- 最近の公共料金の請求書、銀行明細、賃貸契約書など、現在の居住地を証明できる書類をアップロードします。
- 住所は現在の居住地(日本以外)である必要があります。日本の住所は使用できません。

- アカウント作成後、アプリのホーム画面にある「More」をタップします。
- 「Security」をタップします。
- 「Passkeys」「Authenticator」「Email」「Password」から、二段階認証に使用したい方法を選択し、タップします。※ここでは、「Passkeys」を選択します。

- 「Add Passkey」をタップします。
- 設定が完了すると、追加したPasskeyが表示されます。さらに追加したい場合は、「Add Passkey」を再度タップします。

- ホーム画面にある「Add Funds」をタップします。
- 入金方法の選択:
- 「Buy with USD」「P2P」「Receive Via Pay」「Deposit Crypto」の中から入金方法を選択します。※ここでは、 「Buy with USD」を選択します。
- 入金したい金額を入力します。

- ①「Card」「Paymonade」「Apple Pay」「AirTM」「Skrill」の中から、入金方法を選択し、「Confirm」をタップします。②ガイダンスに従って入金が完了すれば、すぐに取引が開始できます。
【利用開始】
- ホーム画面の下部にある「Trade」か「Futures」をタップします。
日本在住者がBinance Globalの口座(登録)を開設する方法
日本に居住しながら、Binance Globalのアカウントを開設する方法について解説します。
海外法人名義の口座を開設する
まずは、日本在住者が海外で会社を設立し、その法人名義でBinance Globalのアカウントを開設する方法です。例えば、シンガポールや香港で会社を設立し、その会社の住所と詳細を使用して登録します。
- 手順とプロセス:
- まず、海外で法人を設立します。必要な書類には定款、登記簿、事業許可証などが含まれます。
- Binance Globalで法人アカウントの登録を申請し、KYBプロセスで法人の情報を提出します。KYBには会社の設立書類や最終的な受益者(UBO)の情報が必要です。
- UBOのKYBでは、個人の身分証明書(パスポートなど)と住所証明書が必要です。
- 実例と考察:
- 例えば、日本在住者が香港で会社を設立し、その会社の住所をBinance Globalで使用する場合などは、KYBも問題なく通過できます。
- 他にも回避策として、UBOを非日本在住者に設定し、会社の所有権を委託する方法が考えられます。
海外留学など一時的な移住をして開設する
日本在住者が個人として、Binance Globalのアカウントを開設する事は不可能ですが、留学や短期の海外滞在中に、滞在先の住所を使用してBinance Globalに登録する方法があります。例えば、アメリカやイギリスで学生として短期間滞在し、その住所と身分証明書でKYCを通過します。
- 手順とプロセス:
- 滞在先の住所(例:学生寮の住所)でKYCの住所証明書(公共料金の請求書や銀行明細)を提出します。
- 身分証明書には日本パスポートや滞在許可証(例:学生ビザ)を使用します。Binanceは政府発行のIDを広く受け入れますが、滞在許可証が有効なIDとして認められるかは国によって異なります。
- KYCが通過したら、アカウントを開設し、滞在中に利用を開始します。
- この方法の課題とリスク:
- 日本パスポートを使用する場合、Binanceが日本居住者と判断し、アカウントを制限する可能性があります。特に、IPアドレスが日本からアクセスしている場合、追加の検証で居住地が発覚するリスクがあります。
- 一時的な滞在後に日本に戻ると、住所を更新する必要がある場合、Binanceが日本居住者と判断し、「出金のみ」モードに変更される可能性があります。滞在許可証や学生ビザが有効なIDとして認められない場合、KYCが通過できない可能性があります。
- 実例と考察:
- 例えば、イギリスで留学中の日本人が、UKの住所証明書と日本パスポートでKYCを試みる場合、住所はイギリスで問題ないかもしれませんが、パスポートが日本発行であるため、Binanceが日本居住者と判断する可能性があります。
- 別の例として、アメリカで学生ビザを持ち、USの住所証明書を提出する場合、IDとしてUSの滞在許可証が認められるか確認が必要です。BinanceのKYCポリシーでは、滞在許可証が一部の国で受け入れられる可能性があります。
2つの方法の比較
方法 | メリット | デメリット | リスク |
---|---|---|---|
海外法人名義 | 会社を通じて間接的に利用可能 | UBOのKYCで 居住地発覚のリスク | アカウント閉鎖 日本の金融規制や 税法違反の可能性 |
一時的な海外滞在 | 滞在中の住所で登録可能 | 帰国後に制限される可能性 | IPアドレスで検出され 制限の可能性 |
日本在住者がBinance Globalのアカウントを開設する方法として、最も確実な方法は、海外法人名義での利用です。一時的な海外滞在の場合は、KYCの更新が必要となった場合に、認証が難しくなると考えられるからです。
ただし、海外法人を設立、利用する場合は、設立に必要な初期投資や最低限の維持費などを事前に確認することをおすすめします。
FAQ:よくある質問
Binance Globalの本人確認(KYC)は、オンライン認証なら通常15分以内に完了します。
ただし、混雑時や追加情報が必要な場合(例:書類の再提出)は、通常24~48時間以内で、それ以上かかる場合もあります。
注意点としては、提出書類が不明瞭や不十分な場合、処理が遅延する可能性があります。特に公共料金の請求書などの住所証明書類は最近3ヶ月以内のものを使用してください。
Binance GlobalとBinance Japanは、以下の点で異なっています。
Binance Global | Binance Japan | |
---|---|---|
対象地域 | 海外(日本不可) | 日本国内 |
サービス内容 | 多様な取引(先物・P2P・レンディングなど) | 現物のみ(日本円対応) |
手数料 | 取引方法や地域で変動 | 固定レート(日本円対応) |
言語サポート | 英語のみ | 日本語対応 |
日本在住者はBinance Globalの登録・利用ができません。2023年12月1日以降、日本居住者はBinance Japanに移行する必要があります。
海外在住の日本人は、現在の居住地に基づく住所証明書を提出すれば登録できます。ただし、KYCプロセスで日本の住所を使用しないよう注意してください。
リスクとしては、日本のパスポートを使用するとBinanceが日本居住者と判断し、アカウントが制限される可能性があります。また、IPアドレスや追加の検証で居住地が発覚する場合もあります。
登録中にエラーが出た場合、まずエラーメッセージを確認してください。メールアドレス重複や、画像が不明瞭などの書類の形式エラー、または居住国や証明書発行国などの国選択の誤りなどが原因の場合があります。
解決方法ですが、入力ミスの場合、修正して再試行してください。
書類の不備がある場合、クリアな画像を再アップロードしてください。
国選択が間違っている場合、プロフィール設定で修正してください。
問題が解決しない場合は、Binanceのサポートに連絡してください。アプリ内のチャット機能またはメールで問い合わせ可能です。
また、「メールアドレスがすでに使用されている」と表示された場合は、別のメールアドレスで登録を試みてください。他にも提出した身分証明書の形式がサポート対象外の場合は、サポートページで対応している書類を確認してください。