ナスダック上場でソーシャルメディア技術企業のAsset Entities’(アセット・エンティティーズ、ASST)は9日、株主がStrive Enterprises, Inc.(ストライブ・エンタープライゼス)との合併を承認したと発表した。ストライブの株主は9月4日に既に取引を承認しており、両社の株主承認により「世界クラスのビットコイン財務企業」創設への重要な一歩を踏み出した。
合併後は「Strive, Inc.」として運営、7.5億ドルPIPE実施
合併承認は、アセット・エンティティーズの圧倒的多数の株主に支持された。合併完了後、統合会社は「Strive, Inc.(ストライブ)」に社名変更し、引き続きナスダックでティッカーシンボル「ASST」として取引を継続する。新会社はマット・コール氏がCEO兼取締役会長を務め、アセット・エンティティーズのアルシア・サルハニ社長兼CEOは最高マーケティング責任者(CMO)および取締役に就任する。
合併と同時に、総額7.5億ドル超のPIPE(私募投資)を実施する予定。さらに、PIPE発行時に付与されるワラント行使により追加で7.5億ドルの調達が可能で、総調達額は15億ドルを超える可能性がある。
ビットコインを上回るパフォーマンス目指す戦略
コール氏は「この株主承認は、世界クラスのビットコイン財務企業を構築するという我々のミッションにおける決定的な瞬間である」とコメント。「逆合併構造、無借金プロファイル、7.5億ドルPIPEを通じて、戦略実行と投資家への1株当たりビットコイン最大化において、同業他社に対してユニークなポジションにある」と述べた。
同氏は「我々の焦点は、時間をかけてビットコイン自体を上回り、永続的な株主価値を創造するよう設計された規律ある長期戦略にある」と戦略の詳細を明かした。
2022年設立のストライブ、20億ドル運用の実績
ストライブは2022年にヴィヴェク・ラマスワミー氏によって共同設立された金融サービス企業で、「遠慮のない資本主義」を通じて顧客価値の最大化を使命としている。同社は最初の公開取引資産運用ビットコイン財務企業になることを発表済みで、ビットコイン財務企業のレバレッジベータ戦略と革新的なアルファ創出戦略を組み合わせることで、長期的にビットコインを上回るパフォーマンスの実現を目指している。
2022年8月に初のETFを開始して以来、ストライブ・アセット・マネジメント(SEC登録投資顧問会社)は20億ドル超の運用資産まで成長している。
社名変更でビットコイン事業に本格参入
合併の完了は、ナスダック株式市場による上場申請の承認など一定の条件達成が前提となる。サルハニ氏は「株主がこの合併を承認したことを嬉しく思う。この承認により、最大級で最も成功するビットコイン財務企業の一つを構築し、既存株主に最大価値を提供する扉が開かれたと信じている」と期待を示した。
アセット・エンティティーズは現在、ディスコード、ティックトック、インスタグラム、X(旧ツイッター)、ユーチューブなどでソーシャルメディアマーケティング事業を展開しているが、合併により全く異なるビットコイン財務事業へと大きく舵を切ることになる。
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