2017年に登場したNFTの“元祖”、今も健在
暗号資産(仮想通貨)取引所「BitMEX(ビットメックス)」の共同創業者で著名投資家のアーサー・ヘイズ氏が16日、世界的に人気のNFTコレクション「CryptoPunks(クリプトパンクス)」の1つを購入したことが明らかになった。
購入したのは「CryptoPunk #9274」で、取引価格は46.89 ETH(イーサリアム)。日本円で約2,195万円に相当する。
クリプトパンクスの購入直後に、ヘイズ氏が自身の公式X(旧Twitter)アカウントのプロフィール画像を#9274に変更。本人が購入したことを暗黙のうちに示すかたちとなり、NFTコミュニティの間で注目を集めている。
またヘイズ氏は購入後、「イーサリアムの季節だね、MaelstromFund(ヘイズ氏のファミリーオフィス)で何を買う?DeFiの各分野で最高のものを。チャートによっては優れたものもあるけど、イーサリアムが引き続き好調なら全部上がるよ。」とポストしており、イーサリアム価格の長期的上昇に自信を見せた。
クリプトパンクスは、米国の開発者集団「Larva Labs(ラーバラボ)」が2017年に制作したNFTプロジェクト。24×24ピクセルのスタイルで描かれた“パンク”たち10,000体がブロックチェーン上に記録され、各個体が唯一無二のデジタル資産として取引されている。
その文化的・象徴的価値から、クリプトパンクスはNFT市場の草分け的存在として評価されており、過去にはラッパーのJay-Z、テニス界のレジェンドであるセリーナ・ウィリアムズ、DJスティーブ・アオキら世界的著名人も購入した。
特に2021年から2022年にかけての仮想通貨バブル期には、クリプトパンクスの取引価格が高騰し、個体によっては数億円単位で取引されるケースも出現。X上でクリプトパンクスをプロフィール画像に設定する文化も浸透し、所有者にとっては一種の“Web3的ステータスシンボル”として機能してきた。
ヘイズ氏のような金融界の影響力ある人物が今このタイミングでクリプトパンクスを購入したのは、NFT市場の中長期的価値を見直している表れといえ、価格回復前の先行的なポジション取りとも取れる。特に、信頼性の高いNFT資産が再び資産保全やステータス構築の手段として見直され始めている点は注目だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1 ETH=468,132円)