イーサリアムやステーブルコインにも資金流入が拡大
オンチェーン分析企業「Glassnode(グラスノード)」は18日、同社が独自に開発した「アルトコインシーズン指標」が、7月9日に作動したことを明らかにした。これはビットコインからアルトコインへの資金循環が進みやすい環境が整い、市場構造の変化やアルトコインへの期待が高まりつつあることを示していると考えられる。
グラスノードによると、この指標は以下の3つの条件が同時に満たされたときに作動する、アルトコイン市場の強気相場(アルトコインシーズン)の到来を告げるシグナルだ。
- ステーブルコイン供給量の拡大: 市場に新たな資金が流入していることを示す。
- ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)への資金流入: まず主要な暗号資産(仮想通貨)に資金が向かっている状態。
- アルトコイン時価総額の上昇: BTCとETHへの資金流入と”同時”に、アルトコイン市場全体の価値も増加している。
これらの条件が揃うことは、市場全体が活況を呈し、ビットコインで得た利益が、より高いリターンを求めてアルトコインへと流れる「キャピタルローテーション」が起きやすい、構造的に良好な地合いが形成されたことを意味する。

グラスノードが公開したチャートでは、過去にこの指標が作動した期間(オレンジ色の背景部分)で、アルトコインの時価総額(ピンクと青の線)が大きく上昇していることが確認できる。
Swissblockの分析もアルトコインシーズン入りを示唆
グラスノードが引用したブロックチェーン分析企業「Swissblock(スイスブロック)」の投稿も、同様にアルトコインシーズンへの移行期にあることを示している。
スイスブロックは、仮想通貨市場全体の時価総額に占めるビットコインの割合を示す「ビットコインドミナンス(下の画像のグレー線)」に注目。2024年12月以降、一貫して上昇してきたこのドミナンスが、ここにきて弱さを見せ始めており、これは過去のアルトシーズン突入前の状況と類似していると指摘する。

スイスブロックのチャートでは、ビットコインが優位な「BTCシーズン(青線)」から、アルトコインが優位な「アルトコインシーズン(赤線)」へと移行する過渡期にあることが示されている。同社は、この資金循環の「橋渡し役」となるのがイーサリアムであり、ETHへの資金流入が、その後のアルトコイン市場全体のトーンを決めると分析している。
両社の分析は、アルトコイン市場が本格的な強気相場へと移行する兆候が現れていることを示唆している。まだ明確にアルトコインシーズンへと突入したわけではないため注意が必要だが、アルトコインシーズンの到来に期待して、準備をしておこう。
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