暗号資産ビジネス本格参入へ、ミライキャピタルHD設立で事業体制強化
国内の総合金融ソリューション企業「AIフュージョンキャピタルグループ( 東証スタンダード市場:254A )」は15日、Web3分野の事業統括を目的とした新たな持株会社「ミライキャピタルホールディングス株式会社」の設立と、暗号資産(仮想通貨)関連事業を展開する「ミライコイン株式会社」の商号および役員変更を決定したことを発表した。今回の発表は、同グループが推し進める「仮想通貨ビジネスへの本格参入」を目的とした動きの一環となっている。

AIフュージョンキャピタルグループは5月15日に公表した中期事業計画の中で、仮想通貨運用事業の開始を表明。6月17日には、完全子会社の旧ミライコイン株式会社による、市場環境や仮想通貨の特性を活かした積極的な運用方針を明らかにしていた。今回の持株会社設立および組織再編は、こうした構想の具体的な実行段階に入ったことを示している。
今回新たに設立されるミライキャピタルホールディングス株式会社は、グループ全体のWeb3関連事業を統括し、経営判断や戦略立案を行う中核企業となる。同社の事業内容には仮想通貨関連の業務全般に加え、投資助言や代理業も明記されており、業界内で幅広く事業展開していく構えがうかがえる。なお、会社設立は7月下旬予定となっており、現在設立に向けた準備が進められている段階だ。
経営陣には業界のベテラン人材が名を連ねており、代表取締役社長には元「オーケーコイン・ジャパン」で執行役員COOを務めた八角大輔氏が就任。取締役にはかつて「bitFlyer(ビットフライヤー)」でセールス部長を務めた佐々木秀貴氏、GameFi分野やウォレット開発に携わってきた武田恭治氏らが就任している。こうした人材配置からも、同社はWeb3領域での事業成長を強く意識していることが読み取れるだろう。
一方、ミライコイン株式会社は「ミライウェルスマネジメント株式会社」へと商号を変更。従来の仮想通貨保有に加え、仮想通貨の追加購入やレンディングによる資産運用、仮想通貨情報の調査・分析などを手がける方針を示している。今後は新設されるミライキャピタルホールディングス株式会社の完全子会社となり、グループ全体のWeb3戦略の実行部隊としてその役割を担っていく予定だ。
AIフュージョンキャピタルグループは今後の展望として、Web3ビジネスの加速による株主価値の最大化を図る方針を明らかにした。従来の金融サービスに加えて、仮想通貨やブロックチェーン技術を取り込むことで、同グループは次世代の金融市場における競争優位を確立しようとしている。グループ全体としてのWeb3推進の動きが、仮想通貨市場や国内企業にどのような波及を見せるか、今後の展開に注目していきたい。
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