アーベ、アプトスで稼働開始──初の非EVMチェーン展開でDeFi拡大へ

JinaCoin編集部
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暗号資産(仮想通貨)のレンディングプロトコル「Aave(アーベ)」は21日、レイヤー1ブロックチェーン「Aptos(アプトス)」への展開を正式に発表した。これにより、アーベは5年以上にわたりイーサリアムおよびEVM(Ethereum Virtual Machine)互換チェーンに限定して展開してきた方針を転換し、初めて非EVMチェーンに進出することとなった。

Move言語で再構築、Aptos財団やChainlinkが支援

アプトスはMove(ムーブ)言語を基盤とする独自の仮想マシン「Aptos VM」を持つチェーンであり、EVMとは互換性がない。そのため、アーベのコードベース全体をMove言語で再構築し、「Aave Labs(アーベ・ラボ)」のインターフェースも刷新、さらにプロトコルのビジネスロジックをAptos VMに適合させた。今回の取り組みは、アーベのエコシステム拡大と新規市場への参入を目的とした重要な一歩である。

この展開は、アーベ・ラボが「Aave DAO(アーベ・ダオ)」を代表して主導したものであり、複数の外部パートナーが関与している。特に、「Chainlink(チェーンリンク)」との協力はアプトステストネット段階から重要な役割を果たした。チェーンリンクは本番環境向けの価格フィードを提供し、「Aptos Foundation(アプトス財団)」と共にテストを支援した。

また、「Chaos Labs(カオス・ラボ)」と「Llama Risk(ラマ・リスク)」がリスク分析を担当し、セキュリティ面では外部研究者の協力や複数回の監査が行われた。さらに、セキュリティ企業「Cantina(カンティナ)」による脆弱性発見コンテストや、アーベが運営する最大50万ドル(約7,390万円)のバグ報奨機プログラムが実施され、セキュリティファーストの姿勢が貫かれている。

今回公開されたアプトス市場の初期対応資産は、APT、sUSDe、USDT、USDCの4種類である。供給と借入の上限(キャップ)は段階的に引き上げられる予定で、需要の拡大に応じて調整される。今後、市場の成熟に伴い、新たな資産の追加やキャップの拡大が検討される。

アーベが非EVMチェーンに展開することは、DeFiのインフラにおける重要な分岐点といえよう。これまでイーサリアムを中心に発展してきたDeFiエコシステムが、異なるアーキテクチャを持つチェーンにも広がることで、利用者の選択肢は拡大し、相互運用性の新たな可能性が生まれる。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.79円)

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