米資産運用会社ウィズダムツリーは28日、米金融大手バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(以下BNY、旧BNYメロン)を、自社のデジタル資産プラットフォーム「WisdomTree Prime®」の中核となるBaaS(Banking-as-a-Service)基盤として採用したと発表した。これにより、個人投資家がステーブルコインやトークン化資産(RWA)へアクセスできる環境が整備される見通しだ。
BNYのBaaS基盤を採用、WisdomTree Primeの機能を拡充
ウィズダムツリーは、個人投資家がオンチェーン上でRWAに投資できる環境を整備することを目的としてWisdomTree Primeを展開してきた。今回のBNYとの連携により、米ドル建てステーブルコインやトークン化ファンドなど、現実資産を裏付けとしたデジタル商品へのシームレスなアクセスが実現する。
BNYは240年以上の歴史を持つ金融機関であり、その信頼性と実績を背景に、伝統金融(TradFi)とデジタル資産の架け橋として近年ブロックチェーン関連インフラの構築にも注力している。今回の連携は、こうした信頼性の高い銀行基盤を活用し、WisdomTree Primeの機能をさらに強化する狙いがある。
今回の提携により、BNYはWisdomTree Primeの中核BaaS基盤として、法定通貨との入出金機能(オン/オフランプ)などの銀行機能を提供する。ウィズダムツリーは、ユーザーがブロックチェーンを通じて資産運用を行うためのインターフェースと投資商品を提供する。これにより、ユーザーは従来の銀行システムとブロックチェーンをより円滑に接続できる環境を得る。
具体的には、ユーザーは法定通貨を入金後、ステーブルコインへ変換し、ブロックチェーン上での送金・運用が可能となる。法定通貨とオンチェーン資産の橋渡しが、従来以上にスムーズになることが期待される。
この提携は、RWA市場へのリテール投資家参入を後押しする重要なステップと位置付けられる。特に、信頼性の高いBNYが関与することで、ウィズダムツリーが発行するステーブルコイン「USDW」の流通拡大やオンチェーン取引量の増加につながる可能性がある。また、伝統金融機関がデジタル資産領域に本格参入することで、他の運用会社・銀行にも同様の動きが波及すると予想される。
ウィズダムツリーはこれまでRWAを通じた新しい投資機会の創出を進めてきたが、今回の提携により「銀行×ブロックチェーン」という新たなインフラ層の構築がさらに加速された形だ。今後、同社が展開するUSDWや関連RWA商品の市場展開がどのような影響をもたらすのか注目していきたい。
関連:リップル、BNYメロンを「RLUSD」主要カストディアンに選定—機関投資家向けステーブルコイン強化
関連:「RWAとステーブルコインが金融の未来を構築する」バイビットCEO──投機から実用性への転換




