米地銀大手のザイオンズ・バンコーポレーションとウェスタン・アライアンス・バンコープは16日、それぞれの融資において借り手の不正を発見したとして取引先を提訴したことを明らかにした。
米国経済における信用の質が問われる事態としてマーケットは敏感に反応。激化する米中貿易戦争による世界的な景気悪化リスクも相まって、円(JPY)やゴールド(GOLD)などの安全資産を購入するリスクオフの動きが加速した。
また、10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス12.8に低下。米国経済の悪化を受けて、日本時間10月30日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが実施される可能性が高いとの見方が広がったことも、ドル安円高の一因となった。
ドル円(USDJPY)相場|150.00円割れの攻防をにらむ

米中貿易戦争・米地銀信用不安問題・利下げ予想がドルの重しとなり円高が加速。16日に付けた安値(150.50円付近)をレジスタンスラインとして、150.00円を確実に抜けてくるかが焦点となる。
加えて日本経済の動向にも注意したい。自民党と日本維新の会は政策協定に関する会合を本日(17日)午後に開催する予定としており、新しい連立体制が誕生することとなれば、「高市トレード」が再熱する可能性も視野に、トレード戦略を練る必要がある。
ゴールド(GOLD)相場|1トロイオンス4,300ドル台の高値圏で推移

ゴールドは1トロイオンス=4,370ドル台の高値を付けた後に調整局面となり、4214.50-4370.70ドルのレンジを形成中。ゴールドに加えてシルバー(銀)やプラチナ(白銀)の価格も続伸しており、安全性が高いと言われる現物資産に投資が集中している。
米国金利の先安観や米中関係のすみやかな改善は期待できないことから、天井である4,370ドル台を簡単に抜けてくる展開も予想されるため、経済指標が集まる金曜(17日)のニューヨーク市場は狙い目となるだろう。
関連:米中貿易摩擦の再燃懸念──ドル円・ゴールドはリスクオフの動き強まる
関連:ビットコイン軟調続く──パウエル議長の利下げ示唆も仮想通貨市場は反応薄