サークル、ハイパーリキッドに本格参入──ネイティブUSDCとCCTP V2をHyperEVM上で展開

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコイン「USDC」を手がける「Circle(サークル)」は16日、分散型取引所(DEX)である「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」との連携を強化し、同エコシステムへ本格参入すると発表した。今回の発表では、独自のスマートコントラクト基盤「HyperEVM」において、ネイティブUSDCとクロスチェーン送金プロトコル「CCTP V2」が正式に稼働開始されたことが明らかになっている。

HYPEトークン投資や将来のバリデータ参加も示唆

HyperEVMにおけるネイティブUSDCのローンチは、開発者やトレーダー、機関投資家にとって大きな意味を持つ。米ドルと1対1で償還可能なステーブルコインの直接統合により、ハイパーリキッド上での取引や新規アプリケーション開発がこれまで以上に安全かつ効率的に行えるようになると期待されている。さらにCCTP V2の導入も加わることで、複数のブロックチェーンからHyperEVMへのシームレスな資金移動が可能となり、資金フローが一層効率化された形だ。

ただし、HyperCoreへのUSDC入金に関しては、従来通りArbitrum(アービトラム)からのブリッジが必要となる。この点に関しては将来的にCCTP V2を通じ、14以上のブロックチェーンから直接ハイパーリキッドの現物および無期限先物市場に入金できるように対応していくとサークルは語っている。

また、サークルの投資は単なる技術提供にとどまらない。同社は同日、HYPEトークンへ投資を行ったことを公式ブログにて発表。ハイパーリキッドエコシステムに直接的な利害関係を持つ立場になったことが明らかとなった。さらに、同社はバリデータとして参加する可能性についても言及しており、将来的にネットワーク運営への関与を示唆している。

サークルは公式ブログ内で「ハイパーリキッドは非常に特別なコミュニティであり、ここに投資し支援できることを喜ばしく思う」と強調。今後はHyperEVMやHIP-3を基盤とする開発者向けのインセンティブプログラムを開始する計画も示し、ハイパーリキッドエコシステム全体の発展を後押しする構えも強めている。

サークルとハイパーリキッドの連携強化は、信頼性の高いステーブルコインと高性能なDEXやそのエコシステムが融合する、DeFi(分散型金融)の新たな時代を象徴するものとなった。両者の密接な結びつきがもたらす影響が、今後どのようにして暗号資産(仮想通貨)市場に波及していくかに注目していきたい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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