ステーブルコイン発行企業のテザー・インターナショナル(以下、テザー)は10月31日、2025年第3四半期(7-9月期)の監査レポートを公開した。独立監査法人BDOが作成した同レポートによると、2025年1月から9月までの累計純利益が100億ドルを突破し、テザーは世界で最も収益性の高い民間企業の一つとしての地位を再確認した。
テザーが発行するステーブルコインUSDTの流通供給量は、第3四半期に170億ドル以上増加し、総額1740億ドルを超えた。この増加は同社史上最高水準のパフォーマンスの一つとなり、USDTがデジタルドルとしての主導的地位を維持していることを示している。
米国債保有額1350億ドル、韓国超え世界17位に
テザーの米国債保有額(直接・間接保有の合計)は約1350億ドルに達し、過去最高を記録した。この規模は韓国の保有額を上回り、米国債保有国ランキングで世界17位に相当する。テザーは準備資産として米国債を大量に保有することで、USDTの安定性と信頼性を担保する戦略を継続している。
同社の金準備は129億ドル、ビットコイン準備は99億ドルとなり、総準備資産の約13%を占める。これらは分散型かつ将来志向の準備戦略を反映している。
準備資産は負債を約68億ドル上回る
2025年9月30日時点で、テザーの準備資産は約1812億ドル、負債は約1744億ドルとなり、超過準備金は約68億ドルに達した。この超過準備金は強固なバッファーとして機能している。負債総額約1744億ドルのうち、デジタルトークン発行分が約1744億ドルを占める。
テザーは10月、セルシウス訴訟の和解を独自の投資資金で完了し、流通トークンを裏付ける準備資産には影響を与えなかった。同時期、USDT流通供給量は1830億ドルを突破している。
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エルサルバドルで投資ファンドライセンス申請、自社株買い戻しも開始
テザーの持株会社テザー・ホールディングスは、エルサルバドルで新たに採択された民間代替投資ファンド法に基づき、投資ファンドライセンスを申請した。また、高い収益性を活かし、機関投資家の私募参加を見込んだ自社株買い戻しプログラムも開始した。
テザーCEOのパオロ・アルドイノ氏は、「第3四半期の結果は、世界的なマクロ経済の困難な環境の中でも、テザーへの継続的な信頼と強さを反映している。米国債保有額が過去最高の1350億ドルに達し、当社は米国債保有者として世界17位の地位を確立した。テザーは金融とテクノロジーのエコシステムにおける安定の柱として機能している」と述べた。




