規制準拠の保管・取引に加え、ステーキング・担保ローンも順次開始予定
2019年に世界初の規制認可を受けたデジタル資産銀行となったスイスのSygnum(シグナム)は8日、Sui財団との銀行パートナーシップ契約締結を背景に、機関投資家向けのSUI関連サービス拡大を発表した。同行は7月にスイス初のSUI完全対応銀行となっており、今回の提携により規制準拠の保管・取引サービスを本格展開する。
厳格な金融監督下でのデジタル資産サービス
シグナムはFINMA(スイス金融市場監督庁)による銀行ライセンスを保有し、スイス、シンガポール、アブダビ、ルクセンブルク、リヒテンシュタインで金融当局の厳格な監督下で運営される世界初の規制デジタル資産銀行だ。未規制の暗号資産取引所とは異なり、顧客資産の分離保管、定期監査、預金保険制度適用など、伝統的銀行と同レベルの規制要件を満たしている。
Sui財団:Web3の10億ユーザー獲得を目指す独立組織
Sui財団は「次の10億ユーザーをWeb3にオンボードする」ことをミッションとする独立組織で、Suiブロックチェーンの世界的普及促進を目的としている。透明性確保による公平性、信頼構築のためのオープンコミュニケーション、参加促進のための直接的関与という3つの非中央集権化原則に基づいて運営されている。
同財団は開発者助成プログラム、デリゲーションプログラム、アンバサダープログラムなどを通じて、Suiベースのプロジェクトに取り組む開発者やクリエイターの教育・活性化・資金提供・プロモーションを行っている。
包括的SUIサービスを段階的に展開
シグナムは機関投資家グレードのSUI保管サービス、現物・デリバティブ取引に加え、数週間以内にステーキングサービス、第4四半期には担保ローンサービスを開始予定だ。全てのSUI保有資産は銀行のバランスシートから分離され、破産隔離構造で管理される。
同行共同創設者兼CEOのマティアス・インバッハ氏は「デジタル資産と伝統的金融の交差点で、規制枠組み内で新たな機会へのアクセスを支援する」と述べている。
Sui財団のクリスチャン・トンプソン マネージングディレクターは「信頼できる規制ゲートウェイを通じて、グローバル機関投資家とSuiの結びつきを強化する」と提携意義を説明した。
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