決済サービス大手のストライプは11日、AIエージェント向けの新たな決済システム「マシンペイメント」の限定公開を開始した。同社の共同創業者ジェフ・ワインスタイン氏が公式Xで発表。AIエージェントが暗号資産USDCを使って自律的に支払いを実行できるインフラを提供する。
x402プロトコルとベースチェーンを採用
マシンペイメントはx402プロトコルを採用し、レイヤー2ブロックチェーン「Base(ベース)」上で動作。販売者は最小0.01USDC(約1.5円)から従量課金制のサービスを提供でき、AIエージェントは暗号資産ウォレットさえあれば、人間の承認なしにAPI呼び出しやデータへのアクセス料金を支払える。
取引はベース上のUSDCで処理され、ストライプはガス代を請求しない。各取引には固有の入金アドレスが割り当てられるためプライバシーも保護される。
ワインスタイン氏は公式Xで「AIエージェントにはマイクロトランザクション、年中無休のレール、低レイテンシ、HTTP対応、ファイナリティ保証が必要だ。現在の金融システムは人間向けに調整されている」と指摘している。
決済完了後、資金は販売者のストライプ残高に直接反映される仕組みだ。メトリクス、レポート、返金、多通貨ペイアウトなど、既存のストライプ統合と同様に機能する。
コインベースも同日に「エージェンティックウォレット」発表
同じ11日、大手暗号資産取引所コインベースもAIエージェント専用のウォレットインフラ「エージェンティックウォレット」を発表した。注目すべきは、こちらも同じx402プロトコルを中核技術として採用している点だ。
x402プロトコルは既に5000万件超の取引実績を持ち、マシン間決済やAPIペイウォール、プログラマティックなリソースアクセスを人間の介入なしで実現する。コインベースのウォレットもベース上でガスレス取引が可能で、24時間365日稼働する。
両社が同日に同じプロトコルを採用したインフラを発表したことは、AIエージェント経済圏の基盤が急速に整備されていることを示している。ワインスタイン氏は「数十億人の人間が存在するが、数兆規模のエージェントが登場すると予想される。インターネットのTAMは拡大しようとしている」と述べ、長期的な市場成長への期待を示した。
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数行のコードで実装可能
開発者は既存のHTTPエンドポイントにペイメントミドルウェアを追加するだけで統合できる。ストライプの既存PaymentIntents APIを通じて、API使用量、MCPコール、HTTPリクエストに対してエージェント専用の料金プランを設定し、従来のサブスクリプションや請求書と並行して運用可能だ。
ストライプは開発者向けに「purl」と呼ばれるオープンソースCLIツールも公開。NodeやPythonのサンプルコードと併せて、ターミナルからマシンペイメントをテストできる環境を提供している。
決済大手と暗号資産取引所最大手が同日に同じプロトコルを採用したインフラを発表したことで、AIエージェント向け決済基盤の標準化が進む可能性が高まった。
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