ソラナ、年間収益28.5億ドルを達成──「オンチェーン版ナスダック」として成長加速

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Solana(ソラナ)は暗号資産(仮想通貨)市場において、急速に巨大な収益を生み出すエコシステムへと変貌を遂げつつある。6日、スイス拠点の資産運用企業「21Shares(21シェアーズ)」のクリプト・リサーチ・ストラテジストであるマット・メナ氏は、ソラナが2024年10月から2025年9月の1年間で、約28.5億ドル(約4,345億円)もの収益をあげたことを共有した。

DeFi・取引ツール拡大で収益構造がより強固に

メナ氏はソラナの収益構造が広範な分野によって支えられていると指摘。DeFi(分散型金融)やミームコイン、さらにはDePIN(分散型物理ネットワーク)が主な収益源となっており、その中でも取引ツールは総収益の39%となる約11.2億ドル(約1,707億円)と顕著な伸びを記録しているという。

こうした中で注目されたのが、2024年後半から2025年初頭にかけてのミームコインブームだ。当時はドナルド・トランプ米大統領の公式ミームコイン「TRUMP(トランプコイン)」が取引を牽引し、ピーク時には単月で6億1,600万ドル(約939億円)を超える収益が生み出された。ブームが落ち着いた今もなお、ソラナ全体の月間収益は1.5億〜2.5億ドル(約221億〜369億円)のレンジで推移しており、基盤的な活動の強さが維持されているとメナ氏は指摘する。

メナ氏はソラナの現状の収益水準が、もはや「Palantir(パランティア)」や「Robinhood(ロビンフッド)」等のWeb2の有力企業と同程度にあると分析。同氏はこの収益水準とソラナの高い技術性により、同チェーンが「オンチェーン版のナスダック」として機能し始めていると評価した。

イーサリアム初期を超える成長速度、エコシステム拡大も鮮明に

メナ氏はソラナの急成長をEthereum(イーサリアム)の初期段階と比較して分析している。収益面ではイーサリアムと同等のライフサイクル段階と比較し、ソラナの月間平均収益は20〜30倍も上回るペースで推移。一方、デイリーアクティブアドレス数は120万〜150万と、当時のイーサリアム(40万〜50万)を大きく上回る数字だと強調した。

さらに、エコシステム全体も著しい拡大を見せているとメナ氏は語る。DeFiのTVL(ロックされた総資産)は約130億ドル(約1.9兆円)に迫り、トークン化されたRWA(現実資産)は5億ドル(約762億円)を超えて稼働。機関投資家の関心も高まりを見せており、上場企業によるソラナ保有額は既に30億ドル(約4,574億円)を突破したとメナ氏は報告している。

ソラナは今後の技術的なアップグレードにより、さらなるスケーラビリティと低遅延化の実現を目指していく予定だ。米国では「VanEck(ヴァンエック)」をはじめとする複数の企業による現物ETF(上場投資信託)の承認が待たれる状況だが、ソラナがデジタル経済の主要な柱として市場に認識されていることは明らかだろう。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.47円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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