調達資金はすべてビットコイン購入に充当
5G/4GのIoT向け半導体開発を手掛けるフランス企業「Sequans Communications(シークアンス・コミュニケーションズ)」は8日、ビットコイン(BTC)を財務資産として購入することを目的に、3億8,400万ドル(約563億円)の資金調達を完了したと発表した。
この発表を受け、同社の株価(NYSE:SQNS)は急騰。最近相次いでいる暗号資産(仮想通貨)ネイティブではない上場企業による大規模なビットコイン購入計画として、市場から大きな注目を集めている。
今回の資金調達は、40以上の機関投資家が参加する私募形式で行われた。内訳は、1億9,500万ドル(約286億円)の株式(米国預託株式)およびワラントの販売と、1億8,900万ドル(約277億円)の転換社債発行によるもの。シークアンス社は、この調達資金の純受取分をすべてビットコインの購入に充当し、財務戦略の第一段階を開始するとしている。
同社のCEOであるジョルジュ・カラム氏は、「この資金調達の完了により、我々はビットコイン財務戦略の実行を開始できることに興奮している。ビットコインのユニークな特性が、当社の財務的な強靭性を高め、株主に長期的な価値を創造すると信じている」とコメントした。
発表を受けた株価の動向

この発表を受けて、株式市場は即座に反応した。米国時間7日の終値が1.43ドル(約209円)だった同社の株価は、8日の取引開始後に急騰。一時2.6ドル(約381円)を超える場面も見られ、前日比で87%以上の上昇を記録した。同日終値は2.04ドル(約299円)だった。
今回の株価の反応は、「Strategy(ストラテジー、旧マイクロストラテジー)」に代表されるような、上場企業が財務資産としてビットコインを保有する戦略に対する、市場からの強い期待感を反映したものと言えるだろう。国内国外問わず、今後も同様の動きをする企業の株価に注目していこう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.77円)