オンライン証券プラットフォームのロビンフッド・マーケッツ(以下ロビンフッド)は5日、2025年第3四半期(7月〜9月)の決算報告を発表した。
取引収益全体が拡大、純利益は前年同期比271%超の急増
決算報告では、暗号資産(仮想通貨)収益の大幅な増加が寄与し、総収益は前年同期比100%増となる過去最高の12億7,000万ドル(約1,954億円)に達したことが明かされている。
総収益12億7,000万ドルのうち、取引ベースの収益は前年同期比129%増の7億3,000万ドル(約1,123億円)であった。その主な要因として、暗号資産収益が前年同期比300%以上増加し、2億6,800万ドル(約412億円)に達したことが挙げられる。
暗号資産の取引高は合計で800億ドル(約12兆円)にのぼり、このうちロビンフッドのアプリ経由が400億ドル(前年同期比176%増)、買収した暗号資産取引所ビットスタンプ経由が400億ドルであった。
また、オプション取引収益は前年同期比50%増の3億400万ドル(約467億円)、株式取引収益は同132%増の8,600万ドル(約132億円)と、他部門も堅調に推移した。
最終的な第3四半期の純利益は、前年同期比271%の5億5,600万ドル(約855億円)、希薄化後1株あたり利益は0.61ドル(約93円)と、収益性も大幅に改善した。
顧客基盤が2,680万人に拡大、買収効果で成長続く
ロビンフッドは顧客基盤の拡大も続けている。
第3四半期末時点での「資金導入済み顧客」は、前年同期比10%増の2,680万人に達した。この数値には、新たに買収・統合されたビットスタンプの顧客(英国・EUで約70万人)が含まれている。
また、プラットフォーム上の総資産は、純預金額の増加と暗号資産価格の上昇、買収資産により、前年同期比119%増の3,330億ドル(約51.2兆円)となった。
ロビンフッドのCFOであるジェイソン・ワーニック氏は、「ビットスタンプと予測市場が加わったことで、年間収益1億ドル以上を生み出す事業が11に達した」とコメント。事業の多様化が進んでいることを明らかにしている。
ロビンフッドは2013年の創業以来、手数料ゼロの株式・オプション取引で若年層を取り込み、近年は暗号資産取引サービスも拡充。今年6月にはグローバル展開を目指し、ビットスタンプの買収を完了していた。第3四半期の業績は同社の戦略が成功を収めた証拠と言えそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.93円)




