「株 × オプション × 仮想通貨」のマルチプラットフォーム戦略がドンピシャ
米国発の株式投資アプリ「Robinhood(ロビンフッド)」は12日、2024年Q4における暗号資産(仮想通貨)取引量が約710億ドルに達したと発表した。前年同期(約140億ドル、推測値)と比較すると約5倍以上の成長率で、まさに“ドンピシャで波に乗った”形となった。
ロビンフッドの仮想通貨取引量は2024年Q3の144億ドルから急増し、Q4には一気に710億ドルへと膨れ上がった。2024年12月4日にはビットコインが初めて10万ドルの大台を突破し、市場は熱狂。その影響はQ4全体に波及した。
ビットコインの10万ドル突破をきっかけに、Ethereum(イーサリアム)やSolana(ソラナ)など主要アルトコインも軒並み上昇。冬眠していた投資家が次々と市場に戻ってきた。さらに、ロビンフッドは取扱銘柄を拡充し、EU市場向けにイーサリアムとソラナのステーキングサービスを導入するなど、仮想通貨事業の強化を進めた。こうした環境が取引活発化を後押しし、Q4の出来高は文字どおり「爆伸び」。関係者はさぞ酒が進んだことだろう。
取引量の急騰により、ロビンフッドの2024年Q4の総収益は前年同期比+115%の10億1,000万ドルに到達した。取引手数料収益は3倍以上に伸び、そのうち仮想通貨取引による収益は3億5,800万ドル(前年比+700%)と驚異的な成長を見せた。オプション取引収益(+83%)や株式取引収益(+144%)の成長幅をはるかに上回り、純利益も9億1,600万ドルと、2023年Q4の約3,000万ドルから急成長。もはや「株式投資アプリ」というより「仮想通貨プラットフォーム」といっても過言ではない。
ロビンフッドの最大の強みは、「株式・オプション・仮想通貨を1つのアプリで取引できる」統合プラットフォームである点だ。手数料無料のスプレッドモデルやシンプルなUIが個人投資家の取り込みに大きく寄与しており、2023年には、仮想通貨ウォレットとDeFiアプリを連携させる機能「Robinhood Connect(ロビンフッド・コネクト)」を導入し、Web3ウォレットとの連携を強化した。さらに、取扱銘柄の追加やステーキングの導入などを通じ、より多くのユーザーを引き付けている。また、欧州市場に向けた拡張戦略として、老舗仮想通貨取引所「Bitstamp(ビットスタンプ)」の買収を発表しており、国際展開を加速させている。
筆者が想定する大きなシナリオは「まだ市場は拡大する余地がある」という見立てだ。ビットコインETFの承認や、約4年ごとに訪れる半減期による供給減が市場の長期的な追い風となる可能性が高い。急騰の反動で取引量が落ち着く展開も想定されるが、ロビンフッドはすでに、今の勢いを失わないよう先物参入や国際展開など多角的な施策を進めている。
仮想通貨がロビンフッドの業績を押し上げている現状を踏まえれば、今後は「株 × オプション × 仮想通貨」の総合金融アプリとしての立ち位置をより強固にする戦略が不可欠だ。市場拡大のタイミングを逃さず、競合の取引所との差別化を図れるかどうかが勝負どころとなるだろう。
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