米ナスダック上場のプレディクティブ・オンコロジー(POAI)は29日、総額約3億4440万ドル(約500億円)の資金調達を実施し、分散型GPUネットワークAethirの基軸トークンATHを中心としたデジタル資産戦略を開始すると発表した。同社は「世界初の戦略的コンピューティング資源備蓄」の確立を目指すとしている。
現金と暗号資産の2段階調達を実施
今回の調達は2つの構成からなる。現金による調達では約5170万ドル、暗号資産(仮想通貨)による調達では名目価値約2億9270万ドル相当を調達する計画。両方のPIPEは10月2日頃に同時にクロージングされる予定。
調達した資金は主にオープンマーケットでの追加ATH取得、運転資金、一般企業目的に使用される。DNA Holdings Venture, Inc.が同社のデジタル資産戦略に関する戦略アドバイザーを務める。
プレディクティブ・オンコロジーがオープンマーケットでATHトークンを1単位購入するごとに、Aethirネットワークの運営元であるDCI財団は同社に対して購入量の20%相当の追加ATHトークンを付与する仕組みとなっている。
ATHトークンは現在時価総額で暗号資産ランキング100位前後に位置し、分散型GPUインフラのユーティリティトークンとして注目を集めている。エイシルネットワークは世界最大級の分散型GPUインフラを提供し、従来のクラウドプロバイダーと比較して約4080%のコスト削減を実現するエンタープライズグレードのAIインフラを展開している。
同社CEOのレイモンド・ベナレ氏は「Aethirとのパートナーシップは当社にとって画期的な出来事であり、コア事業の強化・拡大と同時に、デジタル資産戦略による段階的成長機会の創出という優れた機会を提供する」とコメントしている。