NFTマーケットプレイス「PACKS」正式リリース──現物トレカの所有権を売買

伊藤 将史
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

当面はポケモンカードに特化して展開

「株式会社D-Chain」は27日、鑑定済みのトレーディングカードの「所有権」を、現物の発送なしで世界中のユーザーと売買できる新サービス「PACKS(パックス)」をリリースした。

PACKSは、ユーザーから預かった実物のトレカを専門家が鑑定し、厳重に倉庫保管した上で、そのカードの「所有権」をデジタルトークン(NFT)として発行。それをインターネット上で売買できるマーケットプレイスを提供するサービスである。

ユーザーは物理的なカードを送受信することなく、デジタル化された所有権のみを取引する。これにより、国境を越えたユーザー同士でも、関税や高額な国際送料を負担することなく、リアルタイムでのカード取引が可能になる。購入した所有権はすぐに出品・転売できるため、従来のような現物到着までの待ち時間が発生しない点が大きなメリットだ。

また、所有権を持つユーザーは、いつでも実物のカード本体の配送を請求し、手元に取り寄せることも可能。コレクション目的と投資目的の両方のニーズに対応する仕組みになっている。

プレスリリースによれば、PACKSの取引手数料は業界最安級であり、国内トレカ市場でも低水準に位置すると考えられる。また、取引対象のユーザーが全世界である点も、同サービスの強みとされている。

出典:PR TIMES

なお、執筆時点では、世界的に人気の高い「ポケモンカード」のみを取り扱っている。

成長が期待されるRWA市場

PACKSが提供するサービスは、「RWA(Real World Assets)のトークン化」にあたる。

RWAとは、株式や債券、不動産、美術品、貴金属、カーボンクレジットなど無形・有形の現実資産のことだ。これらをトークン化(NFT化)することで、各資産の流動性向上や金融取引のコスト低下など、さまざまなメリットが期待されている。

近年、不動産やアート、高級時計などさまざまな実物資産の所有権がNFT化され、ブロックチェーン上で取引される事例が増加し、Web3分野のトレンドの一つとなっている。PACKSが取り組むトレカのトークン化にどれほどの需要があるのか、今後の展開とユーザーの反応を注視しよう。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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