XRP購入とステーキングで資金戦略を推進
米国で管理環境農業(CEA)向けの農業技術を提供する「Nature’s Miracle Holding Inc.(ネイチャーズ・ミラクル)」は23日、最大2,000万ドル(約29億円)規模のXRP(エックスアールピー)トレジャリープログラムの立ち上げを発表した。
発表によれば、ネイチャーズ・ミラクルは米証券取引委員会(SEC)に提出したForm S-1登録届出書に基づき、新規株式発行による資金調達の実施を予定。その調達資金の一部をXRPの購入および運転資金に充てる方針だ。加えて、株式発行にとどまらず、同社の事業目的や資本ニーズに応じた「ストラクチャードファイナンス(構造化金融)商品」を活用することで、将来的にXRPの保有比率を高めていく可能性も示唆している。
今回のXRPトレジャリープログラムにおいて、同社は単なるXRPの長期保有にとどまらず、ステーキングを活用した利回り獲得にも意欲を見せている。財務基盤の強化と同時に、XRPを中核とするリップルエコシステムへの積極的なコミットを通じて、自社事業の成長や株主価値の向上を図る狙いだ。
ネイチャーズ・ミラクルのCEOであるジェームズ・リー氏は、「XRPはクロスボーダー決済の高速化やコスト削減の面で大きな可能性を秘めている」とコメント。加えて、「Banco Santander(バンコ・サンタンデール)」や「American Express(アメリカン・エキスプレス)」等の金融大手がXRPを活用している事例を挙げ、「この財務戦略は株主と当社の双方に大きな利益をもたらすものになる」と自信をのぞかせた。
この発表を受け、ネイチャーズ・ミラクルの株価は一時0.165ドルまで急騰。記事執筆時点では0.108ドルまで下げてきているものの、前日比112.29%の上昇を維持している。これは依然として市場の反応がポジティブで、XRP財務戦略が投資家から好感されたことを裏付けている。

暗号資産(仮想通貨)の中でも実需を伴うXRPの活用を財務戦略に取り入れる同社の動きは、上場企業による仮想通貨財務戦略の新たなモデルケースとなるだろう。XRPを軸とした財務運用がどのような成果を上げるのか、これからの同社の動向に注目したい。
関連:リップル、中東初の不動産トークン化プロジェクトを支援──Ctrl Altとの提携でカストディ技術を提供
関連:NYSE Arca、リップル(XRP)レバレッジETF承認―プロシェアーズ「UXRP」2倍の値動き
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.92円)