BNB総供給量の5〜10%取得を目指す長期戦略
Nasdaq(ナスダック)に上場するWeb3.0企業「Nano Labs(ナノラボ)」は24日、BNB(ビルドアンドビルド)を取得・蓄積する財務戦略を発表し、5億ドル(約725億円)を調達したと発表した。調達手段は転換社債で、同社はこれを戦略的成長の一環と位置づけている。
ナノラボは複数の投資家と転換社債購入契約を締結。満期は発行日から360日で、利息は付かない。保有者は期間内に、社債をナノラボのA種普通株式へ全額または一部を転換することができ、当初の転換価格は1株あたり20ドルに設定されている。転換価格は条項に従って調整される可能性がある。
この取り組みは、ナノラボが推進するBNB取得戦略の初期段階にあたる。同社は転換社債および私募を通じて、最終的には10億ドル(約1,450億円)相当のBNBを取得する計画を示している。将来的には、BNBの総流通量の5〜10%を保有することを目指すという。
ナノラボは、中国を拠点とするWeb3.0インフラおよび製品ソリューションのプロバイダーであり、高スループット計算(HTC)や高性能計算(HPC)向けチップの開発を行っている。同社が構築した独自のFPU(フロープロセッシングユニット)アーキテクチャは、HTCとHPCの両特性を備えたソリューションを提供している。
ナノラボは、すでにビットコインを準備資産として採用しており、今回のBNB取得戦略は、それに続く2つ目の暗号資産(仮想通貨)への本格的な投資となる。
BNB創設者も反応
なお、BNBの創設者であり、BNBと深い関係を持つ仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」の創業者として知られるCZ(チャンポン・ジャオ)氏も今回の発表に反応を示した。CZ氏は、「私たち(私の関連会社)は今回の資金調達ラウンドには参加しないが、引き続き全面的に支援していく」とコメントしている。
BNBは、ビットコインやイーサリアムに比べれば、まだ投資対象として広く認知されているとは言いがたい。特定のプラットフォームに依存する構造を持つため、価格変動や規制リスクも相対的に大きい。そうした銘柄を戦略資産として選んだナノラボの判断は、先見性のある一方で、一定のリスクも伴う。今後の動向は、同社の資産運用方針にとって試金石となるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.07円)