ビットコイン・主要アルトコインは全体的なリスクオフムードの影響もあり、日本時間6日夜から反落。10万ドル付近のサポートをめぐる攻防が続いている。そんな中、一部AI・プライバシー関連銘柄が高騰。主要アルトコインからの資金のシフトが顕著に表れている。
米株不調でビットコイン軟調、10万ドル維持が焦点
ビットコインは6日午前から上値が重くなり、アメリカ株式市場が開場して間もなく下落の勢いを強め、10万ドル付近のサポートを試す展開に。

サポート付近でかろうじて踏みとどまったが、反発の勢いに乏しく上値は重い。
ハイテク株を中心としたアメリカ株式市場の不調など、マクロ経済全体のリスクオフムードに価格を抑えつけられている印象だ。マクロ経済が逆風となる中、10万ドルサポートライン上で価格を維持できるかどうかが今後の焦点になる。
レジスタンスとしては、直近高値の10万5,000ドル付近が意識されそうだが、ここを明確に上抜けられれば4時間足レベルのダブルボトムが確定し、短期的なセンチメントの好転につながるだろう。

清算ヒートマップを見ても、10万5,000ドル付近に流動性クラスターが散在しており、多くの投資家に意識されているのがわかる。また98,000ドル付近には局所的にクラスターが集中しているため、下方ブレイクした際は急落リスクがある点に注意が必要だ。
主要アルトコインはダブルボトム確定で市場好転か
主要アルトコインも引き続き軟調な地合い。
イーサリアムは3,500ドル付近のレジスタンスを明確に突破し、ダブルボトムを確定できるかどうかが今後の焦点になる。XRP、ソラナもそれぞれダブルボトムを形成する兆しが見えており、ネックラインを明確にブレイクできれば市場心理の好転も期待できるだろう。

AI・プライバシー銘柄への資金シフトが顕著に
主要コインが不調な中、一部セクターへの急激な資金流入が確認できる。
プライバシー保護をテーマにしたプロジェクトZcash(ジーキャッシュ)の独自トークンZECは、主要通貨が急落する中も上値を伸ばし、連日の最高値更新。弱気相場の中で大きな注目を浴びている。

時価総額は約1兆4,400億円に達し、柴犬コイン(SHIB)やスイ(SUI)を超えて14位にランクイン。ハイパーリキッドのHYPEやカルダノのADAに迫る勢いだ。

暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏がXの投稿で「次は1,000ドル」など、強気なコメントを発している影響もあり、ZECの強いモメンタムはしばらく続きそうだ。
関連: ジーキャッシュ「1万ドル到達」予想は実現するか──アーサー・ヘイズ氏の的中率46%、11月誤情報も拡散
また、AI関連銘柄のAIAは6日から本日にかけて記録的な高騰を見せている。

6日の直近安値である約1.6ドルからわずか24時間で12ドルを突破し、約651%の暴騰。弱気相場の中で異様ともいえるパフォーマンスを見せた。
ビットコイン・主要アルトコインに見切りをつけた投資家の資金が、将来性の高いセクターにシフトしているとみられ、今後しばらくはAI・プライバシー関連銘柄には注目が集まりそうだ。
雇用統計は延期濃厚、ヘッドラインによる相場急変に注意
本日は米雇用統計が発表される予定だったが、米政府閉鎖継続のため延期される見通し。本日も相場の方向性を決める材料に乏しく、今後の展開を見極めるのが難しい局面だ。
このような状況下では、要人発言や突発的なヘッドラインニュースで相場が急変する可能性も高いので、マクロ経済や政治イベントの動向には引き続き注意を向けておこう。
ビットコイン・主要アルトコインともに、本日も方向感の乏しい展開が続きそうだ。ここは一旦様子見をしつつ、活況を呈しているセクターに目を向けてみるのも一つの選択肢と言える。
関連: リップル、上値抵抗帯で失速──2.2ドル割れが再下落サインに【仮想通貨チャート分析】XRP、BTC、ETH、SUI




